時代が変わっても変わらないものもある

旅行ジャーナリストの兼高かおるさんが5日に亡くなっていた。
子供の頃に観た「兼高かおる世界の旅」には憧れたなぁ。

海外へ出ることがまだ一般的ではなかった時代だし、しかもそれを
女性がレポートするのが子供心にも格好良かった。

90歳は大往生だろうね。世界のいろいろな場所を見せてくれた
兼高さんに感謝。そして、ご冥福を祈る。合掌。

『世界の悪女たち ─ワールド・グレーティスト・シリーズ─』
(M.ニコラス 現代教養文庫)読了。

日本の三大悪女は日野富子北条政子淀殿らしい。NHKの大河
ドラマで岩下志麻が演じた北条政子は凄みがあって美しかった
記憶がある。

しかし、「悪女」と一括りにしても男社会の権力闘争に巻き込ま
れ、後世になって「悪女」のレッテルを貼られた女性もいたので
はないか。

本書は日本で悪女と呼ばれる女性たちは取り上げられていないが、
ルクレツィア・ボルジアは野心的な父や兄の政治的謀略の道具と
された女性なのではないかな。「悪女」と呼ぶには気の毒な気が
する。

時の権力者の愛人となり、自身も国政に口を出し危うく国を傾け
させるとこだった女性もいれば、ロシアのエカテリーナ二世
中国の西大后のように男性支配者よりも残忍だった女性支配者
もいる。

ロシアが、ウクライナベラルーシリトアニアラトビア
領土を広げたのはエカテリーナ二世の時代。例のクリミアの
併合も彼女だった。

文化や芸術の発展に力を注ぐ一方で、農民たちの権力を奪い、
次々と愛人を変えて「王冠を戴いた娼婦」と呼ばれた。

映画「俺たちに明日はない」のボニー&クライドのボニー・
パーカーのような犯罪に手を染めた女性もいれば、自身の若さ
を保つために処女の血を求めたエリザベート・バートリーも
取り上げられている。

保険金や財産目当てに富裕な男性を誘惑して貢がせたり、殺害
したりの女性の犯罪は今も連綿と引き継がれているんだよな。

近年の日本でも「リアル後妻業」なんてマスコミが掻き立てた
女性もいたな。

時代が移り変わろうとも、人間が持つ妄執は不変なのかもしれない。