200人でも、最後でもない
広島と長崎の原爆投下の日に行われた平和祈念式典。
今年も安倍晋三の言葉が地名を変えただけで、ほぼ
同一内容だったと報道された。
追悼の気持ちがないなら、もう行くなよ…。
『死刑囚200人 最後の言葉』(別冊宝島編集部:編
宝島社)読了。
約250ページで、どうやって200人も扱ったのか。と思って
いたら、タイトルに偽りありでした。
そもそも200人も取り上げてないし、未執行の死刑囚まで
載っているし、「言葉」こそ掲載されているものの、それが
本当に執行前に発された言葉なのかも不明。
大体、未執行の死刑確定囚に「最後の言葉」もないもんだ。
なんで未執行の人まで載せたんだろう。
そして、一番不可解なのは袴田事件の袴田巌さんまで収めて
いるところだ。これ、駄目でしょうと思うんだよね。執行停止で
釈放こそされているが、判決が覆った訳ではなく死刑囚の身分の
ままだから…かね。
本書で取り上げられているのは小平事件の小平義雄から、首都圏
連続不審死事件の木嶋佳苗までの40人。それぞれを4ページで
紹介している。
死刑関連の書籍は他にも読んだけれど、本書で参考になるのは
各省の間に設けられたコラムと、冒頭の「死刑」の基礎知識
くらいか。
ただ、コラムにある拘置所長が録音した執行前のドキュメントも
既刊の書籍からの引用のようだが、巻末に参考資料の掲載は一切
ない。
きっとタイトルにある「200人」って、巻末にある死刑確定囚
リストに掲載されている人数なんだろう。面倒なので数えてない
けどさ。
一応、目次のページに『死刑囚最後の1時間』を加筆修正して
再編集したものだとの断り書きがあったけれど、それでも未執行
の死刑囚を掲載するのは納得が行かないのであった。