それはテロとの戦いではなかった

高安、大関昇進おめでとう〜☆

勝ち星を重ねて、横綱になってくれる日を待ってるよ〜。

ファルージャ 2004年4月』(ラフール・マハジャン他 現代企画室)
読了。

東日本大震災後、救援の為に「トモダチ作戦」に従事したアメリ
軍兵士の中に、健康を害した人たちがいる。小泉純一郎元首相は、
彼らを思い涙を流し「トモダチ基金」を設立した。

首相在任中、原発安全神話を信じて推進して来たことを反省
するのであれば、アメリカのイラク戦争をどの国よりも早く、無条件で
支持したことも反省すべきなのではないか。

サダム・フセインを権力の座から引きずりおろしたイラクは、イラク国民
の手に委ねられたのではなかった。亡命イラク人を政府のトップに据え
て、アメリカの思い通りになるような国に作り替えようとした。

イラクの人々は新たな独裁者を求めたのではない。自分たちの政府を
求めたのだ。だから、アメリカ軍の占領への不満が高まった。

その不満のひとつの表れが2004年4月にファルージャで起きた。アメリ
民間軍事会社の傭兵4人が何者かに殺害された。多分、日本国内で
は「民間人」と報道されたと記憶する。

正規の兵士と傭兵と。きっと見分けはつかなかたのだろう。しかし、この
殺害事件はアメリカ軍の復讐心に火をつけた。その復讐心はかなり
間違った方向へ向かったのだが。

ファルージャを包囲し、クラスター爆弾空爆し、人権を無視した家宅捜
索を行う。武器も持たぬ女性や子供、老人に暴力を振るうのみならず、
狙撃手は容赦なく銃撃する。それも背後から。

怪我をして道に倒れている人の喉を掻き切り、病院を爆撃し、モスクに
土足で踏み込み、ファルージャの人々を「ウジ虫野郎」とさえ呼ぶ。

本書はファルージャで何が起きていたかを目撃した海外ジャーナリストや
イラクの人たちへの人道支援の為にファルージャ入りした活動家の証言
で構成されている。

これは「テロとの戦い」などではない。アメリカ軍によるイラク民間人の
虐殺である。

「自分たちの酷的達成の為にまったく関係のない市民、国民を虐殺して
平然としている」のがテロリストだと小泉元首相は言う。そうであるならば、
アメリカ軍がファルージャで行ったことは正にテロ行為ではなかったか。

小泉純一郎さん、あなたはこの現実を知っていましたか?何百人もの罪
なきファルージャの人々が殺害された現実に、流す涙は持ち合わせて
いませんか?

いや、元首相ひとりだけではないんだよね。イラクに派遣されたアメリ
海兵隊の多くは沖縄の基地から飛んでいるんだ。直接イラクの人たちに
銃口を向けたのではないけれど、日本はアメリカの戦争に協力している
時点で加害者なんだよね。

日本政府は当てにならないけれど、アメリカの正義を懐疑的に考える
ことをしなくてはいけないと思うわ。失われた命は戻らないけれどね。