私も真実が知りたい

官僚を恫喝することがリーダーシップだと勘違いしている
男が自民党総裁ですか、そうですか。

日本ってさ、官僚が優秀だからトップがどんなに変わっても
大丈夫だったのに、その官僚を押さえつけて来た安倍政権を
継承するんだろ、菅ちゃんって。

日本沈没だね。あ、もう沈んでるんだっけ。

『私は真実が知りたい 夫が遺書で告発「森友」改ざんはなぜ?』
(赤木雅子+相澤冬樹 文藝春秋)読了。

「(認可あるいは国有地払い下げに)私や妻が関係していたと
いうことになれば、まさにこれはもう私は、それはもう間違いなく
総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げて
おきたい」

「まさに」の使い方がおかしんじゃないかと思うんだが、それは
さておき。

2017年2月17日、衆議院予算委員会で、首相だった安倍晋三
答弁は財務省が犯した文書改ざんのきっかけとなった。

一連の文書改ざんを命じられた近畿財務局の職員であった
赤木俊夫さんは、恐怖と苦悩の末に2018年3月に自ら命を絶った。

「私の雇用主は国民です」と自負していた、生真面目な公務員で
あった夫は、何故、自死するまで追い詰められたのか。夫婦ふたり
の穏やかで幸せな生活を突然奪われた妻は、真実を詳らかにする
為に、国家という巨大権力に立ち向かって行く。

赤木氏の手記が掲載された「週刊文書」は、発売直後にほぼ完売。
私も入手出来なかったので、本書の巻末に全文が掲載されている
にはありがたい。

そうして、公務員にあるまじき文書改ざんを命じられた赤木氏の
苦痛はいかばかりか…と思いを馳せる。

本書は妻・雅子さんの手記と、取材者である相澤記者の共著である。
突然、夫を失った雅子さんが、夫の手記を後悔するまでに至った
経緯、その過程での心の葛藤、取材者である相澤記者との間に信頼
関係を築くまでの揺れ動きが詳細に綴られている。

もうさあ、狂ってるんじゃないかと思うのよ。この国は。強く抵抗
しながらも文書改ざんを命じられた職員が死に追い詰められ、他の
関係者は改ざん後に軒並み出世してる理不尽。

賭けマージャンで辞任した東京高検の黒川検事長(当時)の定年延長
だって、森友問題を握り潰したご褒美だったんだろう?「官邸の守護神」
なんて呼ばれてたんだからさ。

「丁寧に説明していく」「政治家には説明責任がある」。安倍晋三
度々口にしていた言葉だが、彼は何も説明せず、なんの責任も負わず、
内閣総理大臣」の椅子を放り出した。

次期総裁・菅義偉は「再調査はしない」と断言している。安倍政権が
残した汚物にはずべて蓋をする気だ。

だが、森友問題も、加計問題も、桜を見る会問題も、忘れていない
国民が、少なくともひとり、ここにいる。

妻・雅子さんの戦いは始まったばかりだ。国を相手取った裁判の行方を
見守って行きたい。そうして、私も真実が知りたいと、心から思う。

「雅子へ これまで本当にありがとうゴメンなさい 怖いよ 心身とも
に滅いりました」

秋木氏が残した手記の中の一文。切ない。