いにしえのラップランド

安倍昭恵さんは「私人である」と閣議決定していなかった?
なのに、「桜を見る会」には推薦枠を持ってるんだ。へぇ。

桜を見る会」と言えば、三原じゅん子センセイが自分の
お母さんと叔母さんを呼んでいるのだが、このご両名は何
に貢献しているんだろうか。

サーミ人についての話』(ヨハン・トゥリ 東海大学文学部
叢書)読了。

スウェーデン国内で差別を受けるサーミ人の女性を主人公と
した「サーミの血」という映画があった。

劇場へ足を運ぶ時間がなかったので、DVDで鑑賞した。なか
なかいい映画だったので、サーミ人に興味を覚えて関連書籍
を探したら、サーミ人自身が書いた本書に辿り着いた。

日本での発行は2003年だが、原書は1908年に書かれているの
で現在のサーミ人生活様式とはかなり違っている部分がある
のではなかと思う。

サーミ人とはスウェーデンフィンランドノルウェー、ロシア
に住む北方先住民である。本書ではサーミ人の主な生業である
トナカイについて、その放牧についてがかなり詳細に綴られて
いるが、サーミ人すべてがトナカイの遊牧で暮らしている訳で
はないようで、原書に対しては同じサーミ人の間から批判も
出たそうだ。

ただ、精霊を信じ、民間療法を頼りにしていたのはサーミ人全般
に渡って言えるようだ。

季節に合わせトナカイと共に移動していたサーミ人たちに苦境が
訪れ乗るのはキリスト教が彼らの住むラップランドにまで及んだ
時だった。

誰のものでもなかった土地は立ち入り禁止にされ、改宗を強要し、
精霊信仰を弾圧した。

どの地域でも先住民族を同化させようとすることは同じみたいだ。
勿論、日本政府のアイヌ民族に対する対応も…ね。

現代のサーミ人たちの多くは、辺境の地ではなく都市部で生活して
おり、サーミ語だけではなく各々の暮らす国の言葉を操るバイリン
ガルになっており、いにしえの生活様式や工芸品は観光資源にも
なっている。

サーミ人の現在については日本人の先住民研究者による作品が
出ているのだが、少々懐に痛いお値段だったので未だ入手出来
ていない。

どこからか5,000円くらい降って来ないかしら。