経済オンチが読む経済対談

グローバリズム その先の悲劇に備えよ』(中野剛志/柴山桂太
 集英社新書)読了。

経済は本当に苦手なんだ。チンプンカンプンだもの。それでも本書は
対談集なので、読みやすかったのが救いだ。

小泉政権時代から日本は規制緩和だの、既得権益の打破だの、新自由
主義だのを標榜して来た。それに付随するのがグローバル化。グロー
バリズムを信奉しないと「時代遅れ」の烙印を押されるようになった。

でも、それは本当に素晴らしいことなんだろうかとは思ってのだよね。

「いいのか、これで」と実感したのはTPPだ。アメリカにトランプ大統領
が誕生して交渉自体は頓挫しているが、ただでさえ食糧自給率が低い
日本がアメリカから輸入される農産物に頼るようになったら、食べ物
さえ手に入らぬ時代が来るかもしれないと思った。

いつだったか、国土交通省がインフラを主体にした海外向けファンド設立
を予定しているなんてニュースもあった。インフラを海外資本に頼って
しまったら、生命線を渡すことになりはしないかと感じた。

人・金・物の流通を自由にしたEUもイギリスの離脱などで行き詰って
いやしないか?アメリカにトランプ大統領が誕生したのだって、グロー
バル化で取り残された労働者階級のエスタブリッシュメントに対する
反乱ではないのか?

結局さ、新自由主義やら、グローバル化というのは既得権益と一緒で
一部の人たちだけの懐が豊かになるだけって理解でいいのかしら。

経済オンチの私の頭では半分も理解出来ていないんだろうが、自由貿易
というのは相手があってこそで、その相手に非常事態でも起きればいっ
ぺんにぽしゃって右往左往する。だから、内需の充実こそ経済を支える
基本ってことでいいかな。金融頼みではない経済だけど。

でも、日本が今更工業国に戻れるかは疑問だな。内需拡大にしたって、
実質賃金は下がり続けているしね。