これも一つの解釈として読む

またもや夕方6時のニュースを独占する安倍晋三のポエムで
ある。消費増税延期の言い訳を並べてたね。

要はアホノミクス失敗ってことでしょう。トリクルダウンなんて
アメリカがレーガノミクスで失敗してるんだからさ。

で、増税延期で社会保障費はどこから捻出するんですかね。
またたばこ値上げかぁ?馬鹿の一つ覚えみたいに。(-_-;)

コーランには本当は何が書かれていたか?』(カーラ・パワー
 文藝春秋)読了。

原題は「IF THE OCEANS WERE INK」。日本語に訳すと
「たとえ海がインクであっても」になる。これじゃ内容がさっぱり
分からない。だからって、この邦題はどうなのよ?

本はタイトル買いするんだよね、立ち読みはせずに。だから
コーランを解説した書だと思ったんだ。でも、違った。

アメリカ人女性ジャーナリストである著者が、オックスフォード・
イスラム研究センターで出会ったインド人イスラム学者である
アクラム師との対話や師の講演を通してコーランを学んだ過程
で感じたことを綴ったエッセイだった。

コーランイスラム法について著者を導くアクラム師かかなり
保守的な学者ではあるのだが、予言者ムハマンドの言葉を、
言葉本来の意味としてかなり忠実に捉えて解釈しているよう
に感じた。

特に女性に関するあれこれについては本来コーランに書かれて
いることよりも、イスラム教が広まった地域の慣習が優先され
てしまっているなんて話は目新しかった。

アクラム師自身が古典時代の女性イスラム学者9000人の業績
を掘り起した研究者。これには驚いた。分かっているだけでこの
人数である。実際はもっと多くの女性イスラム学者がいたって
ことだよね。

本来は男性も女性も平等なのだとアクラム師は説く。それなのに
家父長制の慣習がある地域でイスラムが広まったことで、女性
を家に閉じ込めるのがイスラムなのだとなってしまっている…と。

教育にについてもそうだ。女性の一番の仕事は子供の教育。
だから女性には教育が必要だとなる。一部の地域で学校へ
通うだけで命の危険に晒されている少女たちがいる。それ
こそコーランの誤った解釈になりはしないか。

自爆テロや異教徒とのジハードを唱える一部のムスリムたちを
イスラム原理主義者」と呼ぶことがあるけれど、予言者ムハマンド
の言葉を忠実に実践しようとするアクラム師こそが原理主義
なのかもなぁ…なんて思ってしまった。

それは自爆テロや独りよがりなジハードとは対極に位置するの
だけれど。

ただ、これも解釈のうちのひとつなのだろうと思う。コーラン
本当に理解するには古代アラビア語を理解しなくちゃ出来ない
のだろうと思う。

他の言語に訳されたコーランは訳者がどの言葉を当てはめるか
でニュアンスが違ってくるのだろうから。

私自身、少ないイスラムに関する知識で理解するにイスラム教と
いうのは本来、寛容な宗教だと感じているのだけれどね。

本書でのアクラム師のコーラン解釈がすべて正しいとは言えない
けれど、このような考え方もあるという見本として読むのがいいか
も。でも、このタイトルはいただけない。