本は積まずに早く読め

2日間、少々バタバタしてました。で、アホノミクス…じゃなかった。
アベノミクスは失敗だったってことでいいんでしょうか。

安倍晋三は絶対に失敗を認めないだろうけど。あ、あれかな。
アメリカみたいに1%の富裕層を作ろうってことだったのかな?

外遊に引き連れて行く大企業だけは潤っているみたいだけどね。

『報道されない中東の真実 動乱のシリア・アラブ世界の
地殻変動』(国枝晶樹 朝日新聞出版)読了。

本は読むペースより買うペースの方が圧倒的に速い。本来なら、
読める分量だけ購入すればいいのだが、ノンフィクションは
見掛けた時に買っておかないと、次に出会えるのは古書店
棚だったりする。

古書店で再会出来ればいい方だ。物によっては何年も探求書
リストに載せっぱなしの作品もある。

何年も経って読んでも色褪せない作品もあれば、出版当時に
読まないと内容と現実がいささか乖離してしまっている作品
もある。

本書がそうだった。2011年3月の民衆蜂起から始まったシリア
動乱のレポートなのだが、出版されたのは今年の夏。

そう、シリア情勢は現在、アサド政権vs反政府武装勢力という
よりも、イスラム国vs外国勢力になってしまっている。

ニュースでシリアのアサド大統領を見る度に、「この人は本当
にそんなに悪い人なのか」と疑問を持っていた。勿論、中東の
情勢に詳しいわけではないのだが、どうにも報道が言うような
「悪人」には見えなかったんだよね。

例えばそれは砂漠の狂犬・リビアカダフィ大佐や、イラク
サダム・フセインについてもそうなのだけれど、欧米のメディア
の解釈をそのまま垂れ流す日本の報道には常に懐疑的だった
からかもしれない。

著者は元シリア大使だけあって、アサド政権中枢の人物にも
取材をし、実際に自身がシリア滞在中に見聞した事柄を
踏まえて中立な立場でシリア情勢をレポートしている。

眼からうろこですよ。ポロポロと落ちる。日本のメディアが
どれだけ欧米視点で中東を報道しているかも分かるわ。

アメリカは「リビアの夢よ、もう一度」でアサド大統領を
簡単に排除できると思っていたようだ。国連安保理決議
では中国とロシアに反対されて武力行使は断念した。

尚、第1章「民衆蜂起」は中東やイスラムに対する知識が少ない
のでかなり辛かったが、第2章以降で反体制派や宗教・宗派、
関係諸国の思惑等を解説している。

同じイスラム圏であろうとも一枚岩ではない。そこには宗派の
対立からの衝突もある。そのいい例がシリアに対するカタール
だ。

金の力に任せて中東情勢をひっくり返そうとするカタール
こんな酷い国だったのかよっ。そして、アルジャジーラ
偏向報道に絶望した。シクシク。