騙しているのか誰だ

「騙されている」って言うけどさ、一体誰に騙されてるんだろう。
自民党・武藤貴也センセイが戦争法案に反対してデモをしている
学生たちが「騙されている」って員だよな。

確か、公安が学生たちの身元を洗っても政治的背景は出て来な
かったんだよね。デモにはある種の思想を持った集団がまぎれて
いることもあるようだけれど、大多数は自主的に集まった若者
たちなんだよな。

要はあれかな。怖いのかな。自分たちが中国や北朝鮮からの
脅威があると危機を煽って、「平和」だとか「安全」だとか口当たり
のいい言葉を冠した法案案を提出して、「ほ〜ら、自民党はこう
やって国を守りますよ」と騙そうとしたのに、それに疑問を持った
人の輪が日に日に大きくなっているから。

しかし、この武藤センセイってのは凄いね、日本国憲法は否定
するわ、基本的人権は否定するわ、国家主権とか出だすわ。
一体、どんな教育を受けたらこうなるんだろう。

あ…ご自身が言っていた「戦後教育のせい」かな。そうだよね、
36歳だものね。戦前・戦中の教育なんて受けているはずない
ものね。

真面目に将来を考えている学生さんたちに妙な因縁をつける
前に利己主義と個人主義の違いくらい勉強してくれよ、センセイ。

「滅私奉公の精神がどうたらこうたら」とも言っていたが、政治家に
こそ滅私奉公の精神が大切なんじゃないの?こんなこと言っている
のだから、武藤センセイは勿論、歳費を受け取ってませんよね?
そうでしょ、センセイ。

政治家辞めてくれないか?

引き続き『原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年』(堀川恵子 文藝春秋)を
読む。

似島だけじゃない。まだまだ遺骨は広島の町のあちこちに埋まっとる
んよ。供養塔だって外から見たら何も分からんじゃろう、あれと同じよ。
最近じゃあ、(原爆死没者が)二〇万というけれど、どれだけの山が
できるか、考えてみんさい。目の前に、その山があれば、少しは死者
の気持ちも伝わるのかもしれんけど、誰も想像もせんでしょう。あそこ
にいるのはみんな、殺された人たちなんよ。死んだんじゃない、殺され
たんよ。あの日、どうして自分が魚のように積み重ねられ、油をかけ
られ、焼かれんといけんかったのか、分からんまま眠っておられる
んじゃから。」

長年、原爆供養塔の掃除をして来た佐伯敏子さんが著者に語った
言葉だ。「死んだ」のではなく、「殺された」。そうなんだよな。