小国だと侮るなかれ

やっと朝晩、少し涼しくなった。このまま秋が来てくれればいいの
だけれど油断がならない。

11月の声を聞くまで暑さが続いて、秋をすっ飛ばしていきなり冬
なんてこともあるからなぁ。

それでも先日までのどよ〜んとした暑さがないだけでも有難いわ。

『ホワイトウォー  青い十字の旗の下に  改訂版』(大久保公雄
文芸社)読了。

スウェーデンノルウェーデンマークフィンランド。日本の
出版物では「北欧」で一緒にまとめられてしまう国々。

そんな4カ国が第二次世界大戦をどのように戦ったかを描いた
作品を読んだのをきっかけに、それぞれの国の独立した作品
を探していた。

古書店で見つけて迷わずに購入した。でも、戦史じゃなかった。
勿論、フィンランドは実際に大国ソ連を相手に戦った。だが、
本書はその史実を元にした戦争フィクションだった。ちょっと
残念。

1939年8月。ソ連は勢力圏拡大の為にバルト三国フィンランド
へ無茶な要求を突きつける。

バルト三国を軍事力で制圧した後、フィンランドへも「国境線、変
えてくんない?そのかわりに役に立たない土地をあげるから。
いいよね?こっちは強大な軍隊があるよ。言うことを聞かないと
どうなるか分かっているよね?」と脅しをかける。

フィンランド側代表も出来る限りの譲歩をするが、これまでの
国の歩みのなかでスウェーデンソ連という大国の間で蹂躙
され、やっと独立を果たしたフィンランドソ連の言い分をその
まま受け入れることは出来なかった。

そして、1939年11月。両国の戦争の火ぶたが切って落とされる。

ふんっ。こんなちっぽけな国、わずかな時間で征服してやるっ!
ソ連の思惑をよそに武器も人材も圧倒的に少ないフィンランド
善戦を展開する。しかし、それは最終的には屈辱的な講和条約
を結ばざるを得ない結末となるのだが…。

一応、冬戦争の概要は知っていたので「ここは史実。これは創作」
と区別が出来るところもあるんだけれど、やたらとフィンランド兵の
会話の中に日本のことが出て来るのはどうなのよ?

トーゴー・ビール(都市伝説って言われている)をはじめ、東郷平八郎
乃木希典の名前まで出しちゃって。

ロンドン大空襲やパリ陥落みたいに大きく取り上げられることのない、
北欧の小国の戦いを大雑把に知るにはいいかも。

その後、継続戦争もあるんだけど今度は両方の戦記を探そう。
何かあるかなぁ。