こっそりとローマ人ごっこ

うわぁぁl。米紙「ワシントン・ポスト」が買収されちゃったよ。ネット通販
大手、amazonの創業者にである。

個人資産での買収なので、amazonが新聞発行に口を挟むことは
ないらしい。でも、「ウォールストリート・ジャーナル」を買収した
ルパート・マードックも最初は「口出ししない」と言ってたのに、結局
は紙面が大幅に変わっちゃったんだよな。

「ニューヨーク・タイムス」も子会社を売却しているし、やっぱり新聞は
衰退の道を辿るしかないのか。

それにしても日本円で200億円を超える買収額。個人資産、どれだけ
あるんだよ。

古代ローマ人の24時間 よみがえる帝都ローマの民衆生活』(アルベルト・
アンジェラ 河出文庫)読了。

タイム・スリップしたのは西暦115年。場所はトラヤヌス帝の治世の古代
ローマ帝国である。周辺の蛮族との闘いに次々と勝利し、繁栄真っ只中
ローマ帝国で、庶民はどんな生活を送っていたのかを記したのが本書。

言ってみれば架空の紀行文なのだが、発掘された遺跡や古文書、美術
品から綿密に当時の衣食住を描いている。

日の出前から日没後、ローマの街が眠りにつくまで。ローマのあちこち
を覗きながら話が進む。

面白いです。男性、女性、それぞれの身支度の様子。人で溢れかえる
ローマの街角の描写。奴隷を現代の電化製品に置き換えてみたら…
なんて、妙に納得。

富裕階級と貧困階級の住宅事情の相違なんて、ほとんど現代と同じ。
更新時に家賃が払えないと追い出されちゃうのだもの。

そして、最大の娯楽であるコロッセウムでの催しの数々。公開処刑
から剣闘士の闘いまで、1日中、びっしりとスケジュールが埋まって
たのね。

古代ローマの富裕層の男性が着用していたトーガの着方が載っている。
これはやってみない手はないでしょう。と、言う訳でやってみました。

本当は6mの布でやるのだけれど、そんな長い布はないのでカーテン
で代用。でも、我が家には奴隷はいない。生憎と旦那も留守。ひとりで
ああだこうだとやってみたが、実際のところ、上手には着られません
でした。

それでも「むふふ。ティベリウス帝もこうやって着てたのか」とひとりで
ニヤニヤしながら家の中を歩き回る。裾を踏んで、何度も転びそうに
なったけど。

おまけに、ローマ人の晩餐を真似てみる。左腕を支えにしてソファに
寝そべって、夕飯を食べる。ああ、なんてお行儀の悪い。いやいや、
今日の私はローマ人。これでいいのだ。

でも、ソファに食べこぼしをしそうで緊張した。しかも、ローマ人のよう
に床に食べ残しを捨てられないし。

こっそりローマ人になれる1冊だった。