私って横浜にいたっけ?

あまりにも寒いので、夕飯の支度が済んでから旦那が帰って来るまで
床暖房を入れ、毛布をかぶって床に張り付いていた。

「ザムザがいる」

帰宅第一声で人をカフカの小説の主人公にするんじゃありません。
まぁ、毛布を巻き付けてごそごそと這って移動してたら芋虫かも
しれませんけどね。笑。

『クレイジーケンズ マイ・スタンダード』(横山剣 小学館文庫)読了。

「え〜、AKBのメンバーの名前、言えないの〜?」

中学生の姪に呆れられたのは今年の夏だった。えっと…芸能人はよく
分からないのだ。嵐のメンバーの名前と顔が一致したのだって最近
なんだぞ。

でも、ARBとかCKBならよ〜〜く知っている。ARBは、今ではすっかり
俳優稼業が板についた石橋凌がヴォーカルを務めたバンド。

そして、CKBは本書の著者である横山剣のクレイジー・ケン・バンドだ。
ふふ〜ん。どうだ、知らないだろうと名に自慢してみたら無反応だった。

いいんだ、いいんだ。若人が無関心だって。ええ、昭和の匂いがしますよ。
でも、その泥臭さが格好いいんだもん。

この人の生み出す歌もいいけど、文章も上手いんだな。ぐいぐいと引き
込まれて行く。

彼を育んだ本牧の街の風景。そんなに馴染みのある街ではないのに、
知っているような気にされらちゃうんだよな。まるで自分もそこにいた
みたいに。

幼い頃から頭のなかで音楽が鳴っているって凄いよな。そして、それを
曲にしちゃうのだもの。

苦労している時代のことも書かれているが、軽く流している感じだから
読んでいても深刻にはならない。

「ここはひとつ眉間に寄せた皺を伸ばして、笑顔になってみるというのは
どうだろう。どんな武器より、無敵な笑顔だ。」

笑って前へ進めっていいなぁ。もう、本当に「イイネ!イイネ!イイネ!」
だわ。