You May Dream

あらま、政権発足から1カ月足らずで安全保障担当大統領補佐官
のフリン氏が辞任ですか。

閣僚の任命も難航しているようだし、どうなるんでしょう。トランプ政権。

『シーナの夢 若松,博多,東京,HAPPY HOUSE』(鮎川誠:話し手/
栗田善太郎・寺井到・松本康:聞き手 西日本新聞社)読了。

あれから2年が経つんだ。今でも信じられないんだよね、シーナが
亡くなったなんてさ。日本を代表するロック・バンドであるシーナ&
ロケッツのボーカリスト、シーナの訃報にはしばらく固まっていた
もの。

思い返せば前年2014年9月の日比谷野外音楽堂のライブに行った
のが、シーナを見た最後だった。あの時もシーナはキラキラ輝いて
いたのに。

本書はシーナの四十九日の法要の為に、夫でありギタリストである
鮎川誠氏が彼女の実家である福岡県北九州市若松を訪れた際に
行われたロング・インタビューをメインにまとめた作品だ。

なんだろう、この溢れるほどの愛。仕事でも私生活でも最高のパー
トナーであったシーナを失ったことの喪失感は途轍もなく大きかった
と思う。喪失感が大きいのに比例するように、シーナへの、ロックへ
の愛が「これでもかっ」って溢れている。

ずっとずっと、シーナは「格好いい女」として私の憧れだったし、
鮎川さんとふたりでいる姿はとっても素敵なご夫婦で、理想だった。

状況前、シーナの実家で暮らしていた時の話とか、シーナのお父様
が「東京へ行って来い」って背中を押してくれた話とか、実家にいる
頃にシーナと一緒に散歩をした町の風景とか、貴重な話ばかり。

「偉大なロックの師匠ちいうか、同志ちいうか。ロックの心をほんとに
教えてくれたのが、一番身近におる、シーナやったんよ─」

鮎川さんの筑後弁がそのまま文字になっているので、文章は鮎川さん
の声で脳内再生されたわ。

代表曲でもある「You May Dream」を歌う時、「みんなも夢を持ち続け
て」みたいなことを言っていたシーナ。私が行けなかったライブでは
「私の夢はこのバンドでずっと歌い続けることです」なんて言ってたの
だね。

シーナ&ロケッツというバンドは、「シーナとロケッツ」ちいう、そういう
関係ではないんです。「シーナ&ロケッツ」ちいう、一つの素敵なロックン
ロールバンドの名前だから、シーナがいなくなっても、シーナはいるんで
す」

ステージ上にもうシーナはいないけれど、鮎川さんはじめメンバーと
ファンの心の中にはずっとシーナはいるんだ。

そうさ、またライブに行かなくちゃ。シーナ&ロケッツのライブにね。
大好きだよ、シーナッ!