幸運でいいのですか

「影響は非常に深刻だが、いろいろな関係者が言っていることでも
あるが幸運だった」

福島第一原発事故に対しての岡田副総理の発言である。この発言、
見逃してはいけない。

確かに当時の政府が想定した「最悪のシナリオ」は回避出来た。だが、
「幸運」と表現していいものなのか。

被災地の多くの方々が未曾有の複合災害を乗り越えて前向きに
生きている。しかし、その状況は決して「幸運」と呼べるものでは
ないし、被災した当事者以外が「幸運」と言ってはいけないので
はないだろうか。

新聞の報道によると「福島では幸運とは言わないのではないか」と
の記者の質問に対し、「そういう(東京圏にまで汚染が及ぶ)事態に
なれば福島ももっと影響が及び、高濃度に汚染されていた。その
意味で現状もひどい状況だが、最悪の事態を考えれば、それは
幸運に助けられたということだ」と返答したという。

結局は首都圏のことしか考えていないのだろう。首都圏の電力を
賄う為の原発なのだ。それが深刻な事故を起こした。影響の規模
の大きさで「幸運」なんて言葉は使うべきではないだろう。

政治家ってのはこの程度の認識しかないんだろうな。

福島県は日本です。そして、福島県に住まう人々は日本国民
です。その人たちの健康・安全を守るのは日本政府です。

もう一度、岡田副総理にはよ〜〜〜〜く考えて頂きたい。

引き続き『ナインスゲート』(アルトゥーロ・ペレス・レベルテ
 集英社文庫)を読む。

そうだった。ヨーロッパの書籍って日本とは少々違うんだよな。
だから装丁技術が発達したのだったっけ。