政治学者と政治記者の言いたい放談

びんせん」である。お手紙を書くあの「便箋」でもなく、船に乗ること
の「便船」でもない。

「便宜」である。「べんぎ」または「びんぎ」と読むのが正解なのだが、
義家弘介文科副大臣は堂々と「びんせん」と発言している。

ヤンキー先生」を売りにしていた筈なのに、漢字もまともに読めない
のか。仕方ないか、「云々(うんぬん)」を「でんでん」と読むのが首相
なのだから。

やっぱり、国会議員一斉学力テストが必要だと思うの。まずは、小学
4年生くらいのレベルから。(-_-;)

『政治が危ない』(御厨貴×芹川洋一 日本経済新聞出版)読了。

痛快である。大学のゼミで同級生だった政治学者と政治記者
おふたりが、現在の安倍政権は勿論のこと、明治以降の政治家を
俎上に載せた対談である。

多くの政治家に接して来たおふたりだけにエピソード満載。政治家の
人となりやその思想までに踏み込んでいるのだが、小難しい理論を
振り回すのではなく「床屋政談」に近いので楽しい。

なんだよ、安倍晋三。自分でもアベノミクスが成功するなんて思って
なかったのかよ。「やってる感」が大事なのか。元から大風呂敷じゃ
ないかよ〜。

反対派・賛成派を問わずアベノミクスを本気で議論していた経済学者
がお気の毒だわ。

それに安倍自民党は人材を育てられないという話。政治家の小粒化
は現在の選挙制度にも問題があるのだろうが、党が人を育てないか
ら政治家以前に人としてどうなのか?と思う政治家ばかりが増えてい
るのかもしれないね。

二階派は問題児ばかりとのお話にも深く頷いてしまった。

私は麻生太郎のおじいさまである吉田茂が結構好きなのだが、本書
でも吉田茂の豪胆なエピソードが出ていた。

戦犯としてGHQから呼び出された近衛文麿は出頭前夜に服毒自殺を
した。近衛が服毒自殺した荻窪の荻外荘を一時期住まいにしていた
吉田茂は近衛が亡くなった部屋を寝室にして、平然と寝ていたとか。

旧民主党政権の鳩・菅のことはボロクソだし、中曽根政権では官房長
官だった後藤田正晴が中曽根のブレーキ役になっていたとか、大隈
重信はいい加減なことばかり話していたとか。読みながら思わずニヤリ
としてしまうことが多かった。

まぁ、今の日本の政治の流れを見ている限り、笑ってばかりはいられない
のだけれどね。

過去の政治家の評価などもしているので、政治に興味のない人でも
面白く読めるかも。

ただ、おふたりは稲田朋美の網タイツを評価しているのだが、同性から
みると年増の網タイツは痛々しいだけなんだが。