政党は国民の声の代表である

本来であれば、今日7月8日は私の姫様・秋篠宮眞子内親王殿下の
ご婚約発表の記者会見の日だった。

当然と言えば当然だが、九州の豪雨災害を受けて延期である。確か
サーヤ様のご結婚も自然災害で延期になったものね。

皇族と政治家を比べるのもなんだが、自衛隊員が現地で懸命な支援
にあたっている時に職場を留守にして民間人との昼食会に出ていた
(本人曰く「食べてないモン」)稲田防衛相と大違いだわ。

『評伝 斎藤隆夫 孤高のパトリオット』(松本健一 岩波現代文庫
読了。

安倍晋三の父方の祖父・安倍寛は戦中にあって軍部暴走に警鐘を
鳴らした政治家だった。孫はあんなのだけれど。

その安倍寛と同じように戦前・戦中に軍部を批判し、政党政治を持続
させようとした政治家がいた。

それが本書で取り上げられている斎藤隆夫である。昭和史の勉強は
私の生涯のテーマでもあるので、斎藤隆夫のことも以前から興味が
あったのだが、本書は「評伝」としている割には内容は微妙かな。

2.26事件後の粛軍演説も、除名処分のきっかけとなった反軍演説も、
部分部分を抜き出して著者が解説を加えているのがなんとももどかし
かった。演説はぶった切らずに全文読ませて欲しかったな。

舌鋒鋭い斎藤隆夫の演説なのだから、解説は全文後にまとめてで
よかったように思うんだ。そして、ところどころに挟まれる北一輝
話は私には邪魔でしかなかった。北一輝については改めて読みた
いからなんだけど。

政党は国民の声の代表であらねばならない。その強い信念が軍部
の暴走や軍部におもねる政治家への強い批判となって表れている。

特に強烈なのが近衛文麿の戦争責任を追及している点だ。知性や
教養はあっても政治家としての実力がない。公爵様から知性も教養
も抜き取ったのが現代の二世や三世の政治家だと思うわ。

読み終わっていささかもやもやしているのは、著者の主張が強すぎ
斎藤隆夫については、本書が引用している演説と一緒でぶつ切り
になっているからかな。

「国民の生活が大事なんて政治は間違っている」とか「戦争は人間の
霊魂進化にとって最高の宗教的行事 」とか言っている稲田朋美
斎藤隆夫の粛軍演説と反軍演説を100万回読み返してみろ。

今の政治状況を見たら斎藤隆夫はどんな演説をするだろうか。