「スラヴ叙事詩」初来日記念
関西電力・高浜原子力発電所で大型クレーンが強風で倒壊。使用済み
核燃料を保管している建屋の一部が損傷した。
放射性物質の飛散はなったようだけれど、危機管理が甘くないかね?
強風を見越してクレーンの先端に小型爆弾でも括り付けられていたら
えらいことですよ。
「最悪」を想定しようよ。テロリストの気持ちになってさ。
『ミュシャのすべて』(堺アルフォンス・ミュシャ館(堺市立文化館):協力
角川新書)読了。
今もそうなのかは分からないが、専門学校に通っていた頃、ある
新刊書店で本を買った時に挟んでくれる栞にミュシャの作品が使用
されていた。
買った本を読もうを思って開いたページに挟まっていた栞を見て、
目が釘付けになった。なんだ?この絵は。この繊細さ、美しさ、色
遣いの絶妙さは何?いや、そもそも誰の絵よ、これは。
芸術に疎い私と、ミュシャとの遅い出会いだった。それから専門学校に
通っていた間は学校から近いこともあり、新刊はすべてこの書店で購入
していた。勿論、栞目当てである。同じ図柄が何枚もあるけど、あの時
は本当にミュシャに魅了されていた。
当然、今でも好きな芸術家である。本書に協力している堺市立文化館の
ミュシャ館には是非とも行ってみたいと思っているし、古書店でミュシャ
の画集を手に取ってうっとり眺めていることもある。
書庫のスペースの問題で大判の画集などはなかなか購入の踏ん切りが
つかいのだけれど。
アールヌーボーを代表する芸術家のひとりであるアルフォンス・ミュシャの
生涯と作品を辿るのが本書なのだけれど、文章少な目・作品画像多めで
とっても嬉しい。
ミュシャの名声を高めたポスター画をはじめ、油彩、歴史画、宝飾品、
お菓子のパッケージやワインのラベルまで。ミュシャの魅力いっぱい。
新書でオールカラーだと価格が高くなりがちだけれど、本書は「え、こん
なにいっぱいカラーで作品が見られるのに、この値段でいいんですか?」
と思うほどのお手頃価格。
そして圧巻はミュシャが晩年のすべてを捧げて制作した油彩の大作で
ある「スラヴ叙事詩」の掲載と解説だ。
この「スラヴ叙事詩」、2017年3月から東京の新国立美術館で開催され
る「ミュシャ展」に初来日する。ミュシャの故郷チェコ国内以外では初
の海外展示だ。
これは行くしかないでしょう、ミュシャ好きとしては。1枚6m×8mと言う
巨大なキャンバスに描かれたスラヴ民族の歴史を描いた壮大な作品
である。
まずいな。買って積んだままのノンフィクション作品がいっぱいるのに、
本書を読み終わってミュシャを取り上げた作品を検索しまくっている。
でも、でも…。装飾デザイン集とか欲しいっ!猛烈に欲しいっ!ページ
をめくりながらミュシャの作品世界にどっぷりと浸かってみたい。