白鳥そのもの

全力応援!ソチ。という訳で(あ、このフレーズ、前にも使った)、
「私の異常な愛情」シリーズには入れられないけれど、懐かしの
冬季オリンピック・シリーズである(え…いつシリーズにした?)。

ウル様が金メダルに輝いたリレハンメル大会、女子シングルスは
競技よりも他のことで話題になった。

アメリカ代表のふたりの女子選手、ナンシー・ケリガンとトーニャ・
ハーディングである。

ハーディングの前夫がケリガンを襲撃し、全米選手権への出場
が出来なくなった。これが、オリンピックまで尾を引いて、ずーーっと
このふたりの話題ばっかり。もうねぇ、競技と関係ないところで雑音
振りかな出でよ、プンスカとなっていた私である。

この時、注目していたのはロシアの17歳、オクサナ・バイウルなの
である。あ、アメリカもケリガンじゃなくてミシェル・クワンが出れば
いいな…と思ってたんだけどね。ケリガン、見た目が好きじゃない
ので。

ショートプログラムでは2位。当然メダルの期待がかかる。だが、
彼女に思ってもみないアクシデントが襲う。

フリー前の公式練習で他の選手と衝突。足を3針縫う大怪我だった。
それでも痛み止めを打ち、フリーに出場。ショート1位のケリガン
抑えて見事、金メダルを獲得した。

もう泣きましたわ、この時は。だって、オクサナは早くに両親が離婚
し、お母さんも13歳の時に亡くなっているのだもの。

競技生活はわずか3シーズン。リレハンメル後にプロに転向した。
ショートもフリーもよかったけれど、この時のエキシビジョンの
「瀕死の白鳥」は今でも鮮やかに覚えている。まさに「白鳥」
だったもの。

『文士と姦通』(川西政明 集英社新書)を読み始める。

「姦通」をキーワードに作家とその作品を追う。