私の異常な愛情 その21

祝!ソチ・オリンピック開幕‼え?開会式がまだだって?いいんだ、
既にいくつかの競技が始まっているのだから。

羽生君は凄かったけど、フィギュアの団体戦って本当に必要か?
だって出場枠の違いで既にハンデがついちゃってるんだぞ。

さて、フィギュアスケート王子様列伝は、満を持してこの人を
登場させよう。

王子の中の王子。私の「永遠の王子様」アレクサンドル・アブト
である。ペト様、ウル様、クーリックのようにオリンピックの金
メダリストではないけれど、引退した今でもサーシャを超える
王子様は出て来ない。

でも、不運。元々、筋肉のつきにくい体質。現役時代に手術台
に上がること4回。そして、最大の不運はアレクセイ・ヤグディン
(帝王)、エフゲニー・プルシェンコ(皇帝)という化け物が同時期
にシニアにいたことだ。

忘れもしない。2002年のヨーロッパ選手権。ミスの連続だった
ヤグディンに対し、ショートもフリーも完璧な演技をしたサーシャ。
それなのに、得点を抑えられ優勝ならず。

フリーの演技終了後、スタンディング・オベーションで大歓声を
送っていた観客は、得点が出た途端、会場を揺るがすような
ブーイングの嵐だった。私もそのなかにいた。しかもジャッジ
席の後ろで「どこ見てんだ?日本のジャッジ〜〜〜」と日本語
で叫んでいた。

続くソルトレイク・オリンピック。ショートでは誰よりも美しい
クワド(4回転)を飛んだのに、転倒・ジャンプコンビ抜けの
プルシェンコよりも得点を抑えられた。泣いたよ、会場で。

そのまま白馬に乗せたい王子様は、オリンピック後から
ジャンプの乱れが続いたのと、股関節の故障で2004年に
プロに転向。今はアメリカ・ニュージャージーでジュニアの
コーチをしている。

「無冠の天才」は、これからも永遠に私の最高の王子様
なのである。

『「将軍」と呼ばれた男 戦争写真家・岡村昭彦の生涯』
玉木明 洋泉社)を読み始める。

ヴェトナム戦争時に世界的な名声を獲得した日本人写真家・
岡村昭彦の生きざまを描く。