『アル中病棟』以降の日々

和歌山カレー事件の犯人として死刑囚となっている林眞須美。
そのお子さんが本を出すらしい。

読んでみるかな。

うつうつひでお日記』(吾妻ひでお 角川書店)読了。

仕事を投げ出して、仕事どころか家庭までもほっぽり出した
顛末を描いたのが『失踪日記』。2度目の失踪から自宅に戻った
のはいいが、アルコール依存症の為に強制入院させられた時の
生活を作品にしたのが『失踪日記2 アル中病棟』だった。

本書はアル中病棟を退院した著者の、2004年7月から2005年
2月までの日々を描いた作品である。版元は違うが、本書を含め
て3部作になるようなのだが、あと1作、また違う版元から作品
が出てるんだよな。これはかなりの便乗本のようだが…。

さて、本書。吾妻氏ご本人も作品の中で書いているように、ヤマ
なし・オチなし・事件なし。本当に日々の出来事を描いているだけ。

失踪日記』『アル中病棟』に比べて面白くないかと言われれば
そうでもない。

商業誌の仕事はほとんどなく、『失踪日記』を描いたはいいが版元が
決まらず、時折不安感に襲われるどん底の日々。

アルコール依存症を克服して、見事に社会復帰しましたっ!では
ないところが妙にリアルなんだよね。

この頃、吾妻家の栄勝を支えていたのは奥様のよう。漫画家である
一家の大黒柱に仕事がないんだから、必然的にそうなるわなぁ。

そして、驚くのが吾妻氏の読書量。1日1冊何でもんじゃない。数冊
読んでいる日も度々ある。

アル中病棟に入院中は本を読もうとしても集中力が持続できないとの
エピソードがあったが、退院後は読書が出来るほどに脳の機能が回復
したってことなんだろうか。

失踪日記』で数々の賞を受賞して、昔の作品の復刻版も出版され。
これで「めでたし、めでたし」ならよかったのだが、2017年には
食道癌が判明。入退院を繰り返しているらしい。

 

うつうつひでお日記 (単行本コミックス)

うつうつひでお日記 (単行本コミックス)