便乗本にまんまと引っ掛かる

ポツダム宣言というのは、米国が原子爆弾を二発も落として
日本に大変な惨状を与えた後、「どうだ」とばかり(に)たたき
つけたものだ」

えっと…ポツダム宣言が日本に対して発されたのは1945年7月
26日なんだが、安倍晋三の中では広島・長崎への原爆投下は
それ以前だってことでいいのか?

じゃあ、お前が毎年出席している8月6日と8月9日の原爆犠牲者
慰霊平和祈念式典はなんだ?

本当に「安倍捏造」に改名して欲しいわ。

『逃亡日記』(吾妻ひでお 日本文芸社)読了。

失踪日記』『アル中病棟』と本書を含めて三部作にしたいよう
だが、全2作は内容が漫画だし版元も違う。本書はその2作の内容
を補う(?)吾妻ひでおへのインタビュー集になっている。

これは失敗。巻頭には吾妻氏がホームレス生活を送っていた場所
を再び訪れるカラー・グラビア(何故かメイド服姿のモデルさん
付)と、「受賞するわたし」と題した漫画がある。

この漫画の中で吾妻氏ご本人が「皆さん、この本買わなくていいで
す!漫画だけ立ち読みしてください」と訴えているように、『失踪
日記』がいくつかの賞を受賞したことによる便乗本である。

漫画の内容を補うって言われてもなぁ…って感じなのだ。やっぱり
吾妻氏の真骨頂は漫画だと思うんだよね。

確かに漫画では描かれていない話も多々あるが(生い立ちなど)、
それも利き手の技量不足で話の引き出し方が下手。前2作の内容
を吾妻氏にぶつけているだけなので、話の広がり方が狭いのだ。

失踪日記』『アル中病棟』が世に出るまでについては、『うつうつ
ひでお日記』に描かれているのでそれで十分だと思うのよ。

いろんなしがらみがあっての出版になったのだろうとは思うけれど、
自分の意図しないところで便乗本の企画が持ち上がって書店に出回る
のって不本意なんじゃないかな。

まあ、私はそんな便乗本に、まんまと引っ掛かってしまったのだが。
失踪日記』『アル中病棟』に興味を持ったとしても、本書は読ま
なくていいと思うわ。

 

逃亡日記 (NICHIBUN BUNKO)

逃亡日記 (NICHIBUN BUNKO)