大自然もいつかは失われる

自衛隊のヘリが墜落。民家が炎上。

当初は不時着だとか、予防的着陸とか報道されていたが小野寺防衛相の
最初の会見以前にTwitterでは既に煙と炎があがっている動画がアップ
されてたんだよな。

事件・事故が起きたら関係省庁に確認するよりTwitterをチェックしてた
方が情報が早くないか?

『カラー版 最後の辺境 ──極北の森林、アフリカの氷河』(水越武
 中公新書)読了。

人類が未踏破の地域がほぼなくなっても、開発の手がら逃れている
場所がある。

そんな場所を訪れ、自然の厳しさや美しさに魅せられた著者が、半世紀に
渡って追い続けた「最後の辺境」を写真と文章で紹介する。

文章はかなり少なめ。撮影場所へ至るまでには多大な苦労があったの
だろうが、その辺りにはあまり触れられていない。なので、紀行文と
して読むには物足りない。

しかし、収録されている写真はどんな上手な文章よりも訴えかける
力を持っている。

パラグアイイグアスの滝の迫力は新書版でも十分に伝わって来るし、
コンゴ川源流流域で出会ったシルバーバックのマウンテンゴリラの
目の優しさに思わずこちらも笑みがこぼれる。

そそり立つ氷河、巨大な高山植物、色鮮やかな花々や鳥、太い蔓植物。
自然が作る造形はどれも美しい。

だが、気候の変動でこの美しく迫力のある自然も、いつかは失われて
しまうのかもしれない。事実、キリマンジャロの氷河は年々薄くなり、
アマゾンのジャングルでは日々森林が姿を消しているのだから。

本書で取り上げられてるなかで、私が実際に行ったことのある場所が
2か所、取り上げられていた。アメリカ・ワシントン州のオリンピック
国立公園と、ロシアのバイカル湖だ。

オリンピック国立公園は家人の仕事の都合で1年半をカナダ・バンクーバー
で過ごしていた時。英語の分からない私が水族館とトレーディング・
カードショップにしか行かないのを気にしていた家人が連れて行って
くれた。

バイカル湖には世界有数の透明度を誇るバイカル湖の氷でカキ氷を作って
食べたいっ!という非常にくだらない理由で、わざわざシベリア鉄道
乗って行ったのだ。

ええ、作りましたよカキ氷。日本からカキ氷機とシロップ持参で。勿論、
イチゴ味である。

フワッフワのカキ氷は美味しかったが、それ以上に冬のバイカル湖
痛いくらいに寒かったのよ。