大空へ羽ばたこうぜ

今年の箱根駅伝は青学ひとり旅にならなくて面白かった。
東海大学の初めての総合優勝は新鮮でもあったのだが…。

早稲田、13年振りにシード権喪失だよ。往路から「どこにいる
んだ?早稲田」状態だったから嫌な予感はしてたんだ。

次回は予選会からだな。ガンバレ、早稲田!

『グッド・フライト、グッド・ナイト パイロットが誘(いざな)
う最高の空旅』(マーク・ヴァンホーナッカー 早川書房)読了。

空の旅では何度か大変な目に遭っている。

1度は羽田空港から伊丹空港へのフライト。客室のモニターには横殴り
の雨で滑走路さえも見えない画像が映し出されていた。無事着陸した
時には私も含め、乗客のほとんどかが自然と拍手をしていた。

2度めは羽田空港から真冬の新千歳空港。最終便で新千歳に到着した
後は電車で苫小牧まで移動する予定だったのだが、積雪の影響で
しばらく新千歳上空で待機したのちに羽田に引き返した。

そして、羽田に戻ったら「再度、別の機体で新千歳に飛びます。ただ、
着陸が出来ないようなら三沢に居ります」のアナウンス。三沢に降ろさ
れても困るんだよ〜。どうか新千歳に降りてくれと思っていたら、願い
が通じたのか。真夜中に新千歳に着陸した。ただし、当日中の移動は
断念したが。

ロシアの国内線ではアエロフロートのボロい機体に唖然。手荷物棚の扉が
きちんと閉まらなくてガムテープで留めているし、一度などは着陸直前
に窓から外を見ていたら翼の一部が後方へ飛んで行って目が点になった。
さすが恐ロシア。何事もなかったようにサンクトペテルブルクに到着し
ていたが、あの機体、その後どうなったのだろう。ちゃんと点検して
るよね?

大空を飛んで、いろんな場所へ私たちを運んでくれる旅客機。その現役
パイトロットが綴ったエッセイが本書だ。現役パイロットの作品でも
航空業界の内幕話ではない、

著者が何故、パイロットになることになったのかの経緯から始まり、
操縦席から見た空や陸、海の風景、飛ぶことの楽しさ、滞在地でど
のような時間を過ごしているかなどが、詩的で美しい文章で記され
ている。

私は飛行機に乗る際はなるべく窓側の席を希望するが、客室の窓小さい
窓から見る風景と、操縦席で真正面から見る風景では全然違うのだろうな。

特に著者のような長距離便のパイロットだと、飛行経路によって1回の
フライトで昼と夜だけではなく、いろんな気象状況を体験するのだろう。

ドラマや映画の中で旅客機の中で急病人が出て、客室乗務員が「お客様の
なかにお医者様はいらっしゃいませんか?」なんて場面がある。著者の
経験では実際にこのような状況があっても医師がまったくいないことは
なかったそうだ。

また、万が一、機内で出産があった場合に備えて、専用の書類が常備され
ているとか。たまたまお医者様が乗っていないフライトに乗り合わせて
しまったら、それは外れってことか。

私は一度だけ、機内からオーロラを見たことがある。あの時はぞっと
そのままオーロラの見える場所を飛んでいて欲しいと思ったわ。

ああ…飛行機に乗りたい。それも長時間のフライトになる国際線に。
そうして、空の上から地中海に点在する島々を眺めたい。きっと
宝石箱のように感じるんだろうな。