洋食は今でも憧れの的

ふ〜ん、安倍昭恵さんの挨拶をホームページから削除して、
昭恵さんご自身も名誉校長を辞任かぁ。

昭恵さんの国会証人喚問、マダー?

『洋食ウキウキ』(今柊二 中公新書ラクレ)読了。

今では珍しくもなくなった洋食だけれど、一定以上の年齢の人に
は「特別なごちそう」だったんだ時代があった。1960年代生まれの
私もそうなのだ。

時折、夕食の食卓に上るのは「アルデンテって何?」のナポリタン
か、ハンバーグ、それに精肉店で買って来たコロッケをはじめとした
フライの類。ある時、母が気合を入れて作ったコンソメ味のロール
キャベツは「ご飯のおかずにならない」と不評だった。

だから、洋食は外で食べる物だと思っていた。それはデパートの
食堂であったり、ぼつぼつでき始めたファミリーレストランであった
り、大人と一緒に入る喫茶店であった。

本書は洋食雑学少々で、ほとんどが著者が訪れた洋食屋さんと
そこで食べた物のエッセイだ。老舗洋食店は勿論のこと、学生街
のボリュームたっぷりのお店やホテルの洋食、喫茶店のランチ等
が写真入りで紹介されている。

どれも美味しそうなんだ。銀座の「煉瓦亭」のハムライスは私も食べ
たことがあるけれど、絶品。玉ねぎやグリーンピース、刻んだハムが
入ったライスの上に、こんがりと焼けたハムがドーンと鎮座してる。
この焼いたハムの周りがカリカリしていて途轍もなく美味しいのだ。
あぁ…涎が。ジュルッ。

「社会人になって自分でお金を稼いだら絶対に行くんだ」と思っていた
資生堂パーラー」も出ている。著者はクロケットが入ったモダンランチ
のコースを食しているのだが、私はやっぱりここのチキンライスが好き。
当然のように池波正太郎の食べ物エッセイの影響であるのだが。

残念なのは著者の文章。これは個人的な好みの問題だと思うのだけれ
ど、文末での「ね」「な」「なあ」の多様が読みずらかった。食べた感想は
勿論必要だけれど、帯に「店もおいしい」とあるのなら店内の雰囲気や
外装などももう少々記して欲しかった。

尚、取材申し込みをして訪れているところは僅かなので店舗データや
地図はなし。取り上げられている店舗も東京近郊が多いのも物足り
なかった。関西圏については独立した章があるけれど、地方の店舗
が少ないね。

著者は上野が苦手らしく、本書では「精養軒」しか取り上げられていな
いがここには私のお気に入りの「黒船亭」という洋食店があるのだ。

お財布との相談で数回しか食べたいことがないのだが「ビーフとタンの
シチュー」なんて衝撃的な美味しさなのだ。

お店で食べるにはお行儀が悪いのでやったことはないのだが、シチュー
にライスを浸してもりもり食べたいのだ。

だから、私には夢がある。いつか、黒船亭で「ビーフとタンのシチュー」、
そしてライスとパンをオーダーする。

シチューの中の具をじっくりと味わって、その後、残ったシチューの中に
ライスを全部ぶち込んでシチューまみれになったライスをかき込みたい。

そうして、最後はパンで残ったシチューを綺麗にすくって頬張り、お皿が
ピカピカになるくらいに堪能したい。

ああ、私の夢が叶う日は来るのだろうか。叶えたら叶えたで、恥かしくて
今後一切、このお店には行けなくなるだろうな。

でも、でも、やってみたぁい!