右翼活動家でさえ違和感を持つ風潮

国会会期延長が決まったら、またぞろ、ゾンビのようにカジノ法案が
浮上して来たよ。

そんな時間があるんなら強行採決する前に年金カット法案の審議に
もっと時間を費やしてもよかったんじゃないの?

消費税は上げたのに結局は社会保障はカットするんだもの。そういや、
議員定数削減はどうした?

『<愛国心>に気をつけろ!』(鈴木邦男 岩波ブックレットNo.951)
読了。

右翼活動家として愛国運動に身を投じて50年以上。そんな著者が
愛国心に気をつけろ」と言う。これは読むしかないでしょう。

驚いたわ。著者に対してさえ「鈴木は転向した」だの、「売国奴」だの、
「非国民」だのとの言葉が投げかけられているなんて。

右翼活動家であり、改憲論者でもある著者だが、自民党が発表した
改憲草案には警鐘を鳴らし、「自由のない自主憲法」よりも「自由の
ある押し付け憲法」でいいのではないかと書いている。

「<愛国心>は人間として自然で、当然の感情であるはずなのに、
為政者などに利用され、エスカレートする危険性がある。外国への
憎しみを煽って、外国人を排除し、戦争を讃美する道具にもなって
しまう。国をとりまく環境が不安定になると、『愛国心があるなら、
国を守るために戦争も辞さずの覚悟をもて!』などとも言われる」

安倍政権が掲げる「日本を取り戻す」のスローガンなんて、まさに
為政者が押し付ける「愛国心」ではないだろうか。一体、何から
取り戻すと言うんだろうかね。

ノンポリとしては著者の愛国運動に共鳴は出来ないのだけれど、
愛国心」に対しての捉え方には「なるほど」と感じる部分が多い。

やっぱりさ、安倍政権に多大な影響力を持っている日本会議とか
は右派でも保守でもないんだよな。単に戦前回帰したいだけ。
国民をコントロールしたいだけ。「日本国憲法が悪いから国民が
ダメになった」っておかしいじゃん。そんなことを言っている人たち
だって、みんな、日本国憲法の下で育って来たのでしょうにね。

右翼活動家でさえ「愛国心」を免罪符のように利用する昨今の風潮
に危機感を抱いているってことは、相当に危険なんじゃないか。

まっとうな右翼は、日本からいなくなってしまったのだろうか。
ネトウヨばかりが大きな声を上げているのって不気味だわ。