書いているご本人がレジェンド

昨夜、夕飯後、落ち着いたのでパソコンの前に座ったら母が
襲来。年金受給者への給付金申請の書類の書き方を教えて
欲しいとやって来た。

私「あれ?去年もくれなかった?3万円」
母「うん、もらった」
私「太っ腹だね、安倍ちゃん」
母「どうせ選挙対策でしょ。ふんっ」
私「じゃあ、いらないの?」
母「くれるってものは貰うわよ。でも、自民党には投票しない」

へぇへぇ、そうでっかぁ。貰った3万円は孫たち(私には姪たち)と
ご飯を食べる資金にするそうだ。

『将棋名人血風録 ──奇人・変人・超人』(加藤一二三 角川
oneテーマ21)読了。

本書は「将棋名人」が誕生して400年目を迎えた2013年に発行され
た作品だ。でも、私は将棋が好きって訳じゃないんだな。本書の著者
が将棋界のレジェンド「ひふみん」なので購入した。

まるっきり将棋の知識はないけれど、「名人」となった棋士の名前な
ら何人か知っている。それでも、江戸時代に生まれた「将棋名人」
世襲制だったなんてまるっきり知らなかったよ。

本書では世襲制名人から実力名人制になってからの、12人の名人
について、その棋風や人物を「ひふみん」が解説している。

それぞれの棋士との対戦の回想や、指し手に対しての分析もある
けれど、木村義雄から森内俊之まで、自分を除く11人の名人と
対戦している「ひふみん」は本当にレジェンドなんだわ。

将棋が分からないので勿論、本書の中に出て来る指し手もまったく
分からない。それでも「名人20年周期説」なんて面白かったな。

名人位を奪う新世代との年齢差が、大体20歳くらいなのだそうだ。
そうやって将棋界の時代が移り変わっているとか。

しかしな、このサブタイトルは内容に登場する名人たちよりも書いた
ご本人に一番ふさわしいのじゃないかな。いや、ご本人は非常に
真面目だし、心底将棋が好きなのだ。それでも、やっぱり「ひふみん」
伝説は語りたい。将棋を知らぬ私だって知っているのだもの。

本書でご本人も書いているが、対局中の昼食はうな重と決めている
「ひふみん」だが、まれに違った食事を注文すると将棋会館に衝撃
が走る。

師匠を逆破門したのも「ひふみん」。タイトル戦で旅館の滝の音が
うるさいからと止めさせたり、1分将棋でトイレ休憩を取ったり、
敬虔なクリスチャンで対局中に讃美歌を口ずさんだり。

う〜ん…本の感想っていうより「ひふみん」伝説になってしまった。
「神武以来の天才」と言われた「ひふみん」。ヴァチカンから「騎士
勲章」を授与されて、以下の言葉。

「私は棋士ですが、このたびは騎士にもなりました。ヴァチカンに事件
でも起きれば白馬にまたがってはせ参じなければいけません。」

ああ、白馬に跨った「ひふみん」、見てみたいような。