ビッグブラザーがあなたを見ている

本日、私は仕事納めである。12月31日に仕事納め、1月1日が
仕事始めになることが多かったが、今回は公休・有休を組み
合わせて世間並みに7連休である。

多くの官庁・企業の仕事納めが12月26日だったのと、本日が
日曜日だったので先週の忙しさが嘘のように静かな1日だった。

だって、1日の受電件数が忙しい時の1時間分だもの。なんと
いう極端。おかげで1年分の資料の整理が出来た。

さぁ、年内は家のことをやらくっちゃ。汗

『スノーデンファイル 地球上で最も追われている男の真実』
(ルーク・ハーディング 日経BP)読了。

2013年6月。香港発の情報は世界を震撼させ、そして激怒
させた。アメリカ政府の情報収集活動に係わったエドワード・
スノーデンがアメリカ国家安全保障局NSA)が行って
いる広範囲な個人情報収集の手口を暴露したからだ。

『暴露 スノーデンが私に託したファイル』(グレン・
グリーンウォルド 新潮社)は、スノーデンが入手した
NSAの極秘資料を公表する為に接触したジャーナリスト
による作品だったが、本書はグリーンウォルドが発表の
場としたイギリス紙「ガーディアン」に重きを置いて
書かれている。

なので、実際にスノーデンがどのような資料を持ち出したかに
ついては『暴露』の方が詳細な掲載をしているし、スノーデン
との邂逅までの緊迫感もある。こちらはアメリカよりもイギリス
や周辺国について、より詳しく綴っている。

そりゃね、ある程度のインターネットの監視はされているとは
思っていたよ。でもね、まさか現実に「ビッグ・ブラザー」が
いるとは思わなかった。あれはジョージ・オーウェルの小説の
なかだけのお話だと思っていたもの。

スノーデンが暴露したNSAの手口は勿論、衝撃的だったが、
本書で一番印象深かったのはイギリス当局による「ガーディアン」
への圧力である。

憲法報道の自由が保障されているアメリカと違って、イギリス
では保障されないこと。もう目の敵ですよ、編集部は。新聞社の
コンピュータのハードディスクを破壊させるなんて暴挙、日本で
は考えられない。

あ…日本でも特定秘密保護法が施行されたんだっけ。現在の安倍
政権はメディアへの注文もうるさいっていうから、そのうち日本
にも「ビッグ・ブラザー」が生まれるのかしら。

『暴露』を先に読んでおくと本書の内容も分かり易いかもしれない。
スノーデンの生い立ちや、暴露に至った心境、アメリカ政府のや
同盟国なのに首相の携帯電話が盗聴されていたドイツの動きなど
にも注目。

スノーデンが乗っているかもしれないから…と、EU諸国がボリビア
大統領の乗った飛行機の上空通過を拒否って酷過ぎるだろう。結局は
スノーデンは搭乗しておらず、大統領を激怒させただけってさぁ。
まぬけか、CIA。

NSAが収集していた大量のメタデータの分析によって、差し迫る
テロ攻撃を阻止できた事例を、政府は一つとして示していない」

アメリカ・連邦判事の言葉だ。そう、あらゆるデータを集めても
ボストンマラソンでのテロは阻止できなかったものな。ただ集め
ただけで、分析まで出来てないんでしょ。情報があまりにも多くて。

それにしてもスノーデンである。期限付きロシア亡命だったけど、
既に1年が経ったが未だにロシアにいるらしい。アメリカに帰れ
ないよな、収監されちゃうもの。2度と祖国には戻れないんだ
ろうか。