暗黒の時代の主役

ロンドン・オリンピックが開幕した。本日早朝の開会式。とても全部は
見られなかったので、ところどころ見た。

出たよ、ミスター・ビーンに007。ベッカムなんてモーター・ボートで
登場だよ。そして締めはポール・マッカートニーである。

毎回思うのだが、日本選手団のあのお衣装はもう少しどうにかならん
のかねぇ。ちょっと堅苦しいんじゃないか。

その日本選手団の旗手を務めたのが女子レスリングの吉田沙保里
選手。旗手を務めた女子選手は金メダルが取れないなんてジンクス
があるようだが、そんなジンクスなんて吹き飛ばして欲しいね。

時差の関係であんまり生中継では見られないけれど、毎日結果が
楽しみだな〜♪

特高警察』(荻野富士夫 岩波新書)読了。

怪談よりも幽霊よりも、コワイコワイ特高警察である。怪談を聞いても、
幽霊を見ても殺されることはことはないが、特高警察に目を付けられたら
拷問されて命まで取られてしまうのである。

そんな特高警察の成り立ちから戦後の解体までを、丁寧に追ったのが
本書である。

戦前戦中の日本での活動は勿論のこと、朝鮮半島や大陸での特高
在り様も描かれている。

特高警察と言えばセットになるのが治安維持法破壊活動防止法
治安維持法が最初に行使されたのは日本国内じゃなかったのか。

小林多喜二の虐殺を持ち出すまでもなく、特高の活動が活発になれば
なるほど時代は暗黒になって行く。それは、朝鮮でも満州でも同じだった。

思想弾圧の歴史については本当に悲惨だと思うのだが、共産党と一字
違いだからという理由で無産党まで視察の対象って…出来の悪いコント
かよ。

国体護持を目的した特高警察の暴走振りは目に余るのだが、本書は
多くの資料を駆使して事実を淡々と記しており読み易い。

ドイツのゲシュタポとの対比なんか興味深かった。

現在、日本には特高警察はないが特高を受け継いだのが公安警察だ。
思想・信条の自由のある今の日本でも、この公安警察の活動なんて
ほとんど知られていない。

至る所に監視カメラがあり、インターネットの監視だって出来ちゃう今
だって、表面に出ないだけであなたの思想はチェックされているかもだ。
勿論、私も…なのだけれど。きゃ〜、コワイ、コワイ。