夕涼みはどこへ行った?

なんだ、なんだ、この暑さは。…って毎年言っているような気も
するんだが、飽きずに言う。

早朝から暑いってどうなのよ?思い返せば子供の頃、昼間は
どんなに暑くても朝と晩は気温が下がったぞ。

だから、夏休みになると朝早くから「涼しいうちに宿題をしなさい」と
口やかましく言われたのだ。それでもしなかったけど…ボソ。

「夕涼み」なんて言葉が死語に近くなったように、夜になってもむわっ
とした暑さに覆われている。

夕立だって降れば降ったでゲリラ豪雨だしなぁ。これが地球温暖化

そして、今夜も我が家のエアコンは25℃で冷え冷えなのであった。
あ〜、外はアッチ〜〜。

『猿ぐつわがはずれた日』(もたいまさこ 幻冬舎文庫)読了。

やっぱり猫が好き」という深夜ドラマがあった。好きで好きで、毎週
見ていた。

そのドラマで恩田三姉妹の長女を演じていたのが本書の著者である、
もたいまさこさん。三女役の小林聡美と共に好きな女優さんである。
次女役の室井滋だけはどうも苦手だったなぁ。

どこか飄々として、それでも安心感を与えてくれる女優さんなので
エッセイも淡々としているかなぁと思って手に取った。

確かに淡々としてはいるのだが、そこには周りの人間を観察する
温かいまなざしがあった。

所属事務所のタコ社長のこと、同じ事務所の小林聡美のこと。
アウトドアのイメージのない(失礼)もたいさんが、スキーをしたり、
キャンプに出掛けたりは意外な一面だった。

黄昏た気持ちをリセットしようと出掛けた山荘で、次々とコウモリの
死骸に遭遇し、驚きながらもひとつひとつ片付けるもたいさんの
姿を想像するとおかしい。

いや〜、ノンフィクションばかり読んでいるとこういうほっこりする
エッセイは心の栄養剤になるね。

しかも解説が私の愛するナンシー関だった。あぁ、ナンシー。この
本で再会できるとはっ!

もたいさんに感謝である。もうエッセイは書かないのかな。面白い
のに。