負の連鎖は止まるのか

驚愕の事実っ!東京湾アクアラインアメリカ西海岸まで伸びる予定で
あった!

新刊書店で見たハマコーの本の帯に書かれていたのだが、本当だろうか。
う〜ん、気になる。買おうかな。でも、ハマコーだし。う〜ん…。

キリマンジャロの雪が消えていく ──アフリカ環境報告』(石弘之 岩波新書
読了。

繰り返される干ばつと洪水、広がる砂漠化、一部の権力者による政治腐敗、
農業への打撃による都市部への大量移住に伴うスラムの拡大、疫病の蔓延、
密猟による野生動物の減少、人口爆発

メビウスの輪のように、アフリカで続く負の連鎖が詳細なデータと共に綴られて
いる。なんというやり切れなさか。

近年、世界を騒がせているソマリアの海賊問題だが、その根本にはヨーロッパ
から持ち込まれた大量の有害廃棄物の違法投棄がある。

ヨーロッパ各国の廃棄物処理業者が持ち込んだ有害廃棄物により、それまで
豊かだった漁場が荒らされたことから漁民たちは海賊となった。

この事実を隠して海賊対策ってのはないだろう。政治腐敗にしてもそうだ。
イギリス、フランス等の旧宗主国が自国の利益の為に独裁者を支援した
ことから始まっている。

そして、昨今は経済成長が著しい中国が、アフリカの天然資源を買い
漁っている現状がある。

絶望の大陸にも、明るい兆しがない訳でもない。イタリアの援助団体が始めた
植林が徐々に成功を見せている。時間のかかる支援かもしれないが、この
活動が広がればアフリカは再び豊かな大地を取り戻すのではないだろうか。

環境問題と言えば北極や南極のことばかり言われるが、人の住む大陸として
のアフリカの状況を克明に記した◎な良書である。