奇跡の場所

テレビが壊れた。突然、画面が真っ黒になり主電源を入れ直しても
内部で「カチカチ」と音がするだけで何も映らない。

購入して8年くらいになる。これくらいの期間で「寿命」ってことなのか。

生憎、我が家が電化製品を購入しているのは量販店ではなく「町の
電器屋さん」である。早速、電話をしてみたところ「電気回路が焼き
切れている可能性がある」とのこと。

恐っ!速攻でコンセントを抜いたことは言うまでもない。しかし、時間が
少々遅かったので新しいテレビが届くのは明日である。

私はいいのだが、困ったのはテレビっ子である我が旦那である。テレビが
ないと退屈で仕方ないらしい。だからと言って、私の仕事の邪魔をするのは
止めてくれないだろうか。笑。

それにしても修理が出来ないっていう今の家電のシステムってもったいない。
次々新製品を売り出すのもいいけれど、修理して長く使うってことも考えて
欲しいな。不要家電の引き取りだってお金がかかるのだから。

『物語 上野動物園の歴史 園長が語る動物たちの140年』(小宮輝之
 中公新書)読了。

子供の頃から近場の行楽施設と言えば上野動物園だった。遊びに行った
回数、数知れず。子供会の写生大会なんても上野動物園で動物の写生
だったな。何を描いたか忘れてしまったが。

明治期の開園前夜から現在までの140年を綴ったものだが、世界各国
から本当に様々な動物が送られている。その分、日本からも日本原産の
動物が世界に送られているのだが。なかでも希望の多かったのはタンチョウ
ヅルだったとか。やはり日本を象徴する鳥なんだな。

初期の頃は飼育施設も飼育方法も不十分で、海外から来た動物もかなり
短命で死亡している。そして、先の大戦下では猛獣の殺処分も行われた。

子供向けに書かれた『かあいそうなぞう』は今でも涙なしには読めない。

動物の展示施設だった動物園は、現在、域内外保全を目指して発展しようと
している。

これまでなんの疑問にも思わなかったのだが、上野という繁華な街の一角に
多くの動物を集めた動物園が140年も存続しているっては奇跡じゃないか。