この機に乗じて

北方領土は日本固有の領土です」。何度、この日記に書いたことか。
それなのに、またもや上陸された。先のメドベージェフ大統領に続き、
今回は副首相だ。

日本が震災や原発事故であたふたしている隙を突かれたような格好だ。
前回、「情報収集が出来ていない」と駐露大使を更迭したすっからかん
首相だが、今回もまた更迭する気なのかしら。

さて、こんな時は我が家のロシア人に抗議行動を見せつけるに限る。
勢い込んで帰宅したのに、居間には我が旦那の姿がない。おかしい。
午後には新しいテレビが届いているはず。テレビっ子の旦那が居間に
いないなんて…。

携帯電話を鳴らすと自室から出て来た。なんだか浮かない顔をしている。
さては抗議行動を察知したか。

「明日から急に出張です」

あれま。新しいテレビでテレビ三昧とはいかなくなったのでがっかりなのか。
行き先はアメリカ・ニューヨーク。

ほほぅ、ならばアラビア語のTシャツでも着て行かないか?エジプト土産に
もらったのがあっただろう。それともディスターシャとゴトラにするか?

「自分の旦那さんが入国で引っかかってもいいんですか?」

あぁ…毎度毎度の冷めた視線だよ。たまには奥様の冗談に付き合えよ。
せっせと荷造りをしている旦那の横で、コーランを手荷物に紛れ込ませよう
としている私であった。笑。

『ザ・コールデスト・ウィンター 朝鮮戦争 上』(デイヴィット・ハルバースタム
 文藝春秋)を読み始める。

アメリカの司馬遼」こと、ハルバースタムの絶筆となった作品である。
本書を手にとって初めて気が付いた。第二次世界大戦ベトナム戦争
湾岸戦争等の本は何冊も読んだ。だが、朝鮮戦争についてきちんとした
作品を読むのは初めてだ。

第二次世界大戦ベトナム戦争の間の戦いはアメリカでは「忘れられた
戦争」と呼ばれているらしい。私も忘れがちかも知れぬ。アジアで起きた
出来事なのに。反省…。