本のアリ地獄に落ちたようだ

秋篠宮悠仁親王殿下が通うお茶の水女子大付属中学校の、親王殿下
の教室の机の上に包丁2本が置かれていたとか。

この春からお茶の水女子大付属中学校に進学されたことは報道も
されているが、何故、教室と机までが分かったのだろう?それと
もただの偶然?

いずれにしても気持ちの悪い事件だ。

『人は地上にあり』(出久根達郎 文春文庫)読了。

アイデンティティーは、主体性、独自性のことと辞典にある。
よけいなことだが、翻訳書になぜ横文字が出てくるのだろう。
かねがね不思議でならない。」

そうっ!そうなのよっ!!私の場合は翻訳書ばかりではないのだけ
れど、「コンプライアンス」とか、「プライオリティ」とか、
「オマージュ」とか、「リスペクト」とか、「レガシー」とか、
ダイバーシティ」とか、「アジェンダ」とか、「リテラシー
とかさぁ。

使っている人を見ると「お前、それ、全部日本語で言ってみろ」
と突っ込みたくなるのよ。実際、ニュース番組などで政治家が口
にしているとテレビ画面に突っ込んでいるのだが…。

上記の文章以外に、吉本ばなな作品への評価にも共感した。著者
出久根達郎氏は古書店主でもあり、書籍関連のエッセイで取り
上げられる作品はどれも好意的に紹介されているのだが、吉本
作品にだけは著者比でかなり辛口な方だと思う。

本書も書籍関連のエッセイである。この種のエッセイの難点は
「読みたい本」が無限に増殖するところだ。

ある川柳作家を取り上げた田辺聖子作品が紹介されている。この
作品と川柳作家に興味を持つ。なんとなく調べてみる。そうする
と、描かれている時代背景にも興味が湧いて来る。その時、日本
以外ではどんな動きがあったのか。

どんどん田辺作品からは離れてく。そうして、読みたい本が増えて
行くという罠にはまる。自宅の書棚には未だ手を付けていない本が
残されているというのに。

文章の上手さも相まって、取り上げられている作品のどれもが
面白そうなのがまた困る。困るなら読まなきゃいいのだが、書籍
エッセイは定期的に無性に読みたくなるから、また困るのだ。

そうして、私は本のアリ地獄へ落ちて行くのだ。

 

人は地上にあり (文春文庫)

人は地上にあり (文春文庫)