意識は別のところに行ってました

久し振りにニュース速報にびっくりした。日産のゴーン会長逮捕
である。

役員報酬の過少報申告と会社資産の私的流用?散々リストラした
挙句、こんなことで逮捕かぁ。

この問題、日本国内だけで収まるのかな?

『粘膜黙示録』(飴村行 文春文庫)読了。

ごめんなさい。ほんの出来心だったんです。ホラー作家としての
著者の「粘膜シリーズ」は読んだことがないし、そもそもホラー
作家とも知らずに読んでしまったのよ。

だって、知人からの頂き物だったのだもの。「そんなの良い訳じゃん」
と言われればその通りなんだから、他に申し開きは出来ないの。

大学を中退し、漫画家を目指したがあえなく挫折し、派遣工員として
過ごした日々のエッセイなのだが、帯にある「自分の体験したことが
異常である、と自覚したのは作家になってちょうど一年が経過した
頃だった」に騙された。

確かに働いていた工場の人たちは癖のありそうな人たちだけれど、
「異常」というほどではない。一歩引いて人間観察をしている
著者の視線は冷静なのだけどね。

現代版『蟹工船』などと謳っているが、鎌田慧の『自動車絶望工場
の頃から『蟹工船』はそこらじゅうにゴロゴロある話だと思うんだ。

著者が働いていた工場だけが特別に異常だったわけじゃないと思う
んだよね。だから、読了してしまうと「ふ〜ん、だから?」って
感じ。

尚、著者が体験した出来事や起こった事件を「これが世に言う〇〇
事件である」との記述を読んでいると、その昔、深夜に放送されて
いた「カノッサの屈辱」というテレビ番組を思い出した。

なので、読んでいる途中から意識は「カノッサの屈辱、もう一度
見たいっ!」の欲求が強烈に込み上げて来て、本書の内容はどう
でもよくなっていた。

本当にごめんなさい。楽しめませんでした。