正直、評価するのが難しい

最初から阿呆じゃないかとは思っていたのよ。2020年東京オリンピック
に向けてのサマータイム導入案。

その前から「公共交通機関の利用は控えて」とか「お盆休みはずらして」
とか「通販は控えて」等々、国民生活を制限しようとしていたでしょう。

それに加えて期間限定サマータイムってさぁ。言っときますけど、時間が
前倒しになるだけで、1日24時間は変わらないんですからね。

心底思うわ、五輪委で無能の集まりなのかって。

『動物になって生きてみた』(チャールズ・フォスター 河出書房新社
読了。

『狼の群れと暮らした男』はネイティブ・アメリカンたちの言葉を信じ
てロッキー山脈に野生のオオカミの群れを探しに入り、実際に群れの
一員として迎えられた男のお話だった。

『人間をお休みしてヤギになってみた結果』は人間としての悩みを忘れ
る為にヤギになり切り、ヤギとしてアルプス越えをしたお話。

好きなんだよね、こういうの。オオカミ男は生肉を食らっているし、
ヤギ男は草を食らっている。だから、本書もタイトル買い。どんな
動物になったのだろうと興味津々だった。

確かにアナグマになってミミズを食らっているのだ。ミミズも住む
場所によって味に違いがあるらしい。だからって食べようとは思わ
ないけど。

でも、思っていたのと少々違った。アナグマ、カワウソ、キツネ、
アカシカアマツバメとして暮らしてみるのだが、それぞれの
動物になり切る為の過程というより、各動物になりきった著者の
心象風景の描写が多くを占めている。

その描写もかなり詩的。原書がそうであるのか、翻訳に難がある
のかの判断がつきかねるが、文章がストンと頭に入って来ないんだ。
私の感性が鈍いからだとも思うが。

あぁ…私の感性がもっと研ぎ澄まされていたのなら、著者が動物に
成り切って感じた風景に共感できたのだろうにな。自分が残念。