キャバ嬢だって労働者だ

ゴールデンウイーク終了のお知らせである。ずーっと休日だった
が、ほとんど家でゴロゴロしていたので相当に体も心もなまって
いるはず。

あぁ…明日は寝坊しないようにしなくちゃ。

『キャバ嬢なめんな。 夜の世界・暴力とハラスメントの現場』
(布施えり子 現代書館)読了。

「お恥ずかしい話だが、業務時間終了後、時には女性が接客をして
いるお店に行き、お店の女性と言葉遊びを楽しむようなことはある」

女性記者へのセクハラ発言を週刊誌で報道された財務省のお偉い官僚
さんは、当初、こんな言い訳をしていた。

どういった営業形態のお店か知らぬが、そこで働く女性に対してだって
「胸触っていい?」「手縛っていい?」「浮気しようね」なんて言葉を
言っていいはずないんだよ。しかも「言葉遊び」になんかなってない。
とことんゲス野郎だと思う。

夜のお店で働く女性に対して、何をしても・何を言ってもいいと相当
に勘違いしている客が多くないか?店長やボーイが勘違いした客から
女性を守ってくれる店もあるだろうが、そんなお店は一握りだろう。

そもそも、店側・経営者側が女性たちを労働者であり、彼女らにも
労働者としての権利を主張する正当性があることを認識してない。
不当な扱いをして、それを当たり前だと思っている。

賃金の未払い、正当な理由なく差し引かれる罰金、店側からのパワハラ
やセクハラ。理不尽な待遇に声を上げたキャバ嬢たちをサポートする
のがキャバクラユニオンだ。

本書ではキャバ嬢たちの賃金の仕組み、キャバ嬢やボーイさんたちが
置かれている労働環境を語り、実際のキャバクラユニオンの活動の
様子が綴られている。

ある程度の想像はしていたが、キャバ嬢たちの労働環境や支払われる
賃金の仕組みに唖然とする。本書のタイトルではないが、本当に
「なめんなよっ」と感じる。

ブラック企業のあらゆる悪いところをぎゅっと煮詰めた感じだ。

派遣社員やアルバイト・パート労働者の労働組合があることは知って
いたが、いわゆる水商売で働く人たちの労働組合の存在と活動に
ついては本書で初めて知った。

とても重要な活動だと思う。ただ、話し言葉をそのまま文章にしている
ので私にとっては非常に読み難かったし、章が変わっても同じような
内容が繰り返されている箇所が気になった。もう少し、文章全体が
整えられているともっと良かったのではないか。

髪型もメイクもばっちり決めて、綺麗なドレスを身に着けたキラキラした
お嬢さんたちが、ひとりも泣かずにすむ環境になるといい。