副題をタイトルにしてください
「会津藩士や西郷隆盛にも彼らの正義があった」っていう考えが
原因なんだろうな。
徳川康久宮司の考え方は間違っちゃいないと思うんだが、靖国神社
にしてみたら困るんだろうな。
『ヒトはなぜヒトを食べたか 生態人類学から見た文化の起源』
(マーヴィン・ハリス ハヤカワ文庫)読了。
原題にも「食人」を意味する言葉が入っているので、翻訳書での
このタイトルも仕方ないんだろう。でも、これでは私のように
カニバリズムのお話か?と手に取る人が多いと思う。
内容を考えると副題の方がしっくりする。
人間は自分たちが生きるためにどのようにして社会を形成して
きたかというのがテーマなんだろうな。確かにカニバリズムに
ついても書かれているんだが、それはほんの少し。
宗教による食のタブーについては「本当か?」と感じる部分もあった
が、狩猟採集民が農耕民族より劣っているとの説を覆している話は
興味深かった。
ショッキングだったのは人口増加を抑制する為に女児が間引きされて
いたことや、古代でも妊娠期間中に意図した中絶が行われていたこと。
そりゃ人口が増えれば増えただけ、資源の消費が減るからなんだろう
が…う〜ん。
ほぼ学術論文という内容なので「アンデスの聖餐」あたりの話かと
思って読むと肩透かしだ。
ほんの少し触れられている食人行為に関しては「単なる動物性たんぱく質
の不足」としているのだが、本当にそれだけかなって感じ。