より小さく、より正確に

お客様「sashaさん、年内はいつまで?」
私「今日で仕事納めです」
お客様「え〜、俺は30日まで仕事なのにいてくれないの〜?」
私「あはは。お疲れ様です。年内はBとCとDがいますから」
お客様「sashaさんとAさんがいないならいいや。また、年明けに
電話するね。良いお年を」

という訳で、派遣先は年中無休だが私は今日で仕事納め。そして、
年明けは1月5日から。でも、1日出勤してまたすぐに連休なんだな。

『時計の科学 人と時間の5000年の歴史』(織田一朗 ブルーバックス
読了。

1日は24時間で、1時間は60分で、1分は60秒。ずーーーっと当たり前
のこととして疑問を持たずに生きて来た。でも、最初に時間という
概念を思いついた人がいるんだよね。改めて考えると凄いわ。

太陽の動きによって、木や岩の影の長さや方向が変わるのを見て、
時間の存在に気がついたのだそうだ。そこから人類は「時間」を
知ろうとする努力を積み重ねて来た。

本書は人類が「時間」に出会ってから、それを知るために時計を
作った歴史のお話である。

面白いわぁ。特に古代の時計の話の数々は魅力的。日時計から始まっ
て、水時計、火時計、砂時計、花時計など。どれも試行錯誤しながら
改良を加えて、より正確な時刻を知ろうとしている。

天文学と深い結びつきのある時計だが、天文台と一緒になった中国・
北宋時代の水運儀象台は高さ12mになる巨大な水時計だったらしい。
本書では写真が掲載されているが、これは本物が見てみたい。

そして、花時計。今まで花壇の上を針が回るのが花時計だと思って
いたんだが、これは違うそうだ。本当の花時計は開花時間の異なっ
た数種類の花を植えて時間を知るものだった。

こういう花時計。どこかにないかな。時刻の正確さは抜きにして、
花の咲く時間で時を知るなんてロマンティックじゃないか。

昔々の目覚まし時計は時間精度が低くて、目覚まし時計呼べるよう
なものではなかったとかも面白い。

時代が進むごとに時計は小型化と正確性が求められるようになり、
腕時計も時代と共に進化していく。

今では携帯用端末を時計として使っている人が多いのか、腕時計
をしている人も少なくなった。でも、凄いんだよ、腕時計。

手首に着けられるサイズなのに、小さな小さな部品がいっぱいに
詰まっていて、しかも正確に時間を刻んでくれるんだから。

各章の間には「時」と「時計」に関するコラムもあり、知らないこと
ばかりが多くて勉強にもなった。

尚、1日が24時間なのは十二進法や六十進法を多用していたシュメール
人がバビロニアで文明を開化させたかららしい。

どれだけいろんなものを発明してるんだよ、シュメール人。天才の
集団か。

本書の表紙カバーの写真は、マリー・アントワネットが金に糸目をつ
けずに天才時計師アブラアン-ルイ・ブレゲ作らせた時計なのだが、
これ、復刻版があるんだよね。展示用で販売の予定はないようだ。

欲しいけれど、ブレゲの時計だから市販されたとしても高価過ぎて
買えないだろうな。シクシク…。