告発者の勇気に敬意を

宇野昌磨くん、グランプリファイナル2位おめでとう☆
昌磨くんのクリムキン・イーグルは好きだわぁ。

昨晩はテレビ朝日での放送だったんだが、実況のアナウンサーが
うるさかったわ。特に私のセルゲイ・ボロノフに対して何度も
「30歳」って繰り返しててうんざり。「進化する30歳」なんて
キャッチフレーズつけるんじゃねぇよ。

そうそう。客席に伊藤みどりさんがいたわ。みどりさんのジャンプは
今も神々しい。

『ミズーラ 名門大学を揺るがしたレイプ事件と司法制度』
(ジョン・クラカワー 亜紀書房)読了。

ふたりは小学校1年生の時からの付き合いだった。同級生だが、女性は
男性を兄のように思い、男性もまた女性を妹のような存在と思い、お互
いの家族のこともよく知っていた。

長じて男性は大学のアメリカンフットボール・チームの花形選手となり、
女性も彼の才能の開花を我がことのように喜んでいた。

だが、ある夜を境に仲の良い幼馴染みのふたりは被害者と加害者として
対立する関係へと大きく変化した。

性的暴行事件の80%以上は見知らぬ相手ではなく、顔見知りによる犯行
だという。本書がメインで扱っている事件も幼馴染みの男女の間に起き
た事件だ。

このふたりの事件を中心に据え、アメリカ・モンタナ州の第2の都市
ミズーラのモンタナ大学アメリカンフットボール・チームの選手たちが
絡んだいくつかの事件を追っているので、少々話が入り組んでいる。

だが、共通するのは被害者が言葉に尽くせない苦しみを抱えていること
だ。事件を自分の責任だと感じ、自分を責め、「あれはなかったこと」
だと思い込もうとする。

それが心理的にも被害者を追い詰める。そして、性的暴行の相手が地域
が注目し愛する大学のスポーツ・チームの一因であることから、加害者
側の言い分のみを盲信し、被害者が誹謗中傷される。

読んでいてムカムカして来る。加害者の擁護者や弁護士は加害者である青年
の未来を奪うのかって何だろうと思う。被害者にも未来があるんだ。多くの
可能性があったのだ。それを奪った者の将来を考慮しろだと?性犯罪者は
性犯罪者なのだ。その罪を問わずにいたら、同じような事件が起きない
保証はない。

何も極刑にしろと言うのではない。犯した罪は罪として、償うことが肝心
なのではないだろうか。例え、彼がプロスポーツ界で活躍する可能性が
奪われようともだ。

告発した女性たちは苦しみ考え抜いて告発に至ったのだと思う。裁判とも
もなれば思い出したくもない経験を証言しなくてはいけないのだから。

それでも彼女たちが声を上げたのは、自分と同じような被害に遭う人が
いないようにとの思いからだろう。

大学での性的暴行事件を描いた映画のテーマ曲をレディ・ガガが歌って
いるが、彼女もまら性的暴行の被害者である。「それが自分の身に起こ
るまでわかるわけがないのよ」。曲の中でレディ・ガガは言っている。

「レイプなんてほとんどが被害者側の嘘だ」なんてプロパガンダを信じて
いる人たちに考えて欲しい。あなたの娘が、姉が、妹が、友人が被害者
でも同じことが言えるだろうか…と。

日本でも慶応大学の学生による集団性的暴行事件があった。被害者側が
示談に応じて不起訴になったが、彼らが心から反省しているのかを問う
てみたい。

尚、アメリカでは性的暴行に対する最高刑は禁固百年だとか。仮釈放なし
なら刑期満了まで生存している確率は相当に低いよな。