正義の為なら暗殺も辞せず

日本上空ってどこまでなんだろう。宇宙空間でも日本上空?

北朝鮮がミサイルを発射したからって電車止めたりしたけど、
飛行機は止めてないんだよね。

しかもJアラートの対象から見事に東京・埼玉・千葉が抜けている。
なんでぇ?

アメリカ最強の特殊戦闘部隊が「国家の敵」を倒すまで』
(マーク・ オーウェン 講談社)読了。

アメリカ海軍特殊部隊SEAL。精鋭中の精鋭集団だが、そのなかか
らさらに厳しい選抜テストに合格して集められたのがDEVGRUだ。

対テロ戦争専用に訓練されたチームが行ったのが2011年5月2日
ネプチューン・スピア作戦。場所はパキスタンのアボタバード、
ターゲットはウサマ・ビンラディン

2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件から「国家の敵」とし
アメリカ政府が血眼になって探していた、テロ首謀者殺害作戦
にチーム・リーダーとして参加した著者が、作戦の顛末を綴った
のが本書。

『アフガン、たった一人の生還』もそうだったけど、SEALって誰も
がマッチョ思考でアメリカの正義は唯一無二だと思ってるのかも。

政府の為に働くのが軍隊であり、軍人であるのかもしれないけれど
一点の曇りもなく信じているに疑問を抱くのはやはり表向きは軍隊
がないことになっている日本人だからか。

ビンラディン殺害が報じられた時、「暗殺だろう、これ」と思ったのは
今でも変わらない。しかも、当事国であるパキスタンには事前通告
なしで主権まで犯している。

どんな困難な作戦でも命じられれば遂行に全力を傾ける。軍人と
しては当然のことなのだろう。しかし、ビンラディンを殺害して何か
変わっただろうか。アメリカはテロの脅威から解放されたろうか。

却ってテロの脅威は高まったのではないか。何度も書いているが
ビンラディンを殺害しても、第二、第三のビンラディンは現れるの
だから。

実際の作戦は本書に書かれている通り、精鋭部隊による隠れ家
急襲だったがそれ以前にアメリカ政府は爆撃も検討していたらし
い。ビンラディンの奥さんも子供も殺すところだったかよ。

アメリカの修正憲法は暗殺を禁じている。だが、「アメリカの正義」
の為には暗殺さえも認められるんだよな。

生け捕りにしたらしたでその後の問題もあったのだろうが、せめて
暗殺後はイスラムの慣例に則り土葬に出来なかったのかのかな。