悪魔の兵器はすべてを焼き尽くす

今までにも他の国会議員の不倫報道があったのに、自分だけは
大丈夫とでも思っていたのかな。民進党の山尾センセイである。

ご本人の軽率さもさることながら、民進党内から山尾潰しの声が
挙がっているのって結局は党内で足の引っ張り合いしか出来な
いこの党の本質が露わになってるよね。ゲスだわ。

そして、Tシャツ通販サイトで早速販売され始めた「幹事長落ちた
 民進党死ね」の画像を嬉々としてTwitterでツイートする維新の
足立センセイはゲスの極みである。チンピラのやることだねぇ。

『ナパーム空爆史 日本人をもっとも多く殺した兵器』(ロバート・
M・ニーア 太田出版)読了。

簡単に製造でき、殺傷能力が高い武器を。第二次世界大戦中に
アメリカで研究・開発が進められ、実戦に投入されたのが本書の
主題であるナパームだ。

手始めは火炎放射器の燃料として。次には焼夷弾に装填され、
東京大空襲をはじめ、日本各地への無差別爆撃で使用された。

親油性のあるナパームは人間の体に付着すると落ちにくく、消火
さえも困難である為に、特に木と紙で出来た当時の日本家屋密集
地帯では途轍もない効果を挙げた。

人も、建物も、瞬時に松明と化す。アメリカ軍が手に入れた「悪魔の
兵器」はその後、朝鮮戦争ヴェトナム戦争で使用され、敵兵の
戦闘能力を削ぐことを目的に多用された。

使用は敵の軍事施設などに限っている。アメリカ政府の発表の嘘
ヴェトナム戦争で暴かれる。

泣きながら裸で逃げるヴェトナムの少女。あまりに有名なナパーム
弾に焼かれたこの少女をはじめ、民間人のみならず、誤爆により
アメリカ軍内にも犠牲者が出ていることをメディアが取り上げると
アメリカ国内ではヴェトナム反戦運動と相まって、反ナパーム運動
が盛り上がった。

骨にまで達する火傷。遺体は真っ黒に炭化し、例え命は助かった
としてもその後の治療には想像を絶する痛みが伴う。本書で描か
れている東京大空襲ヴェトナム戦争での無差別爆撃の様子は
読んでいるだけでも、嫌悪感を催す。確かに「悪魔の兵器」だ。

ヴェトナム戦で使用された枯葉剤のひとつである「エージェント・
オレンジ」の製造会社ダウ・ケミカルがナパームも製造していた
ことを本書では初めて知った。「サランラップ」を製造している
会社でもあるのだが、「サランラップ」も元々は軍用の防水シート
として開発されたんだよね。

現在は「非人道的である」と使用が禁止されているナパームだが、
武器に人道的も非人道的もないと思うんだ。戦争自体が非人道的
な行いなのだから。

ただ、悲しいかな。人類の歴史は戦争の歴史でもある。ドローン
だって物を運ぶんだり、空撮にはとても便利だけれど、パイロット
不要の無人殺人機にもなる。

効果が大きければどうしても使用したくなるのが軍隊であり、人間
なのだろう。国際的な兵器の使用禁止条約だけではなく、戦争の
ない世界を実現させなければいけないんだなとつくづく思う。

それが一番の難題ではなるのだけれどね。

本書はナパームの開発から実戦でどのように使用され、国際的な
使用禁止兵器になったかを詳細に描いているのだが少々中だるみ
するのと、日本向けだろうと思われる副題が余計なのが残念。