影から大きな声を出す

「唯一の被爆国として決して容認できるものではなく、断固抗議する」

これは参院外交防衛委員会の全会一致の決議。

「今回の核実験は、唯一の戦争被爆国であるわが国として、断じて
容認できない暴挙だ」

こちらは衆議院外務委員会の閉会中審査での全会一致の決議だ。
共に北朝鮮による核実験を受けての決議。

まぁ、文言はほとんど一緒なんだが、なんでアメリカの傘の下にいる
時だけ「唯一の被爆国」を持ち出すのか。

それほど「唯一の被爆国」を強調したいのであれば核兵器禁止条約
に何故、参加しないのか。核兵器禁止条約に触れられると困るから
と言って、8月下旬にスイスへ派遣された高校生平和大使の演説に
何故、ストップをかけたのか。

北朝鮮の核だけが脅威か?そうじゃないだろう。アメリカも、ロシアも、
中国も、イギリスも、フランスも核兵器保有している。核拡散防止
条約で核保有を認められている上記5カ国以外にもインド、パキスタン
イスラエル保有している。

アメリカの影に隠れて「唯一の被爆国」を売りにしていないで、全核保有
国に向かって言ってみたどうだ?

全世界に向かって核廃絶を訴える。それこそが「唯一の被爆国」のやる
べきことではないのだろうか。

引き続き『ナパーム空爆史 日本人をもっとも多く殺した兵器』(ロバート・
M・ニーア 太田出版)を読む。

ヴェトナム戦争で使用された枯葉剤エージェント・オレンジ」。製造会社
ダウ・ケミカルはナパームでも儲けてたのか。