食べられる物は身近にある

そりゃさ、アメリカ・トランプ大統領は白人至上主義を明確に非難
なんて出来ないでしょう。大統領選挙の時、レイシストたちを煽って
たのだから。

ブッシュ親子も大統領批判の声明を出し、オバマ前大統領の
「肌の色や出自や信仰の違う他人を、憎むように生まれついた
人間などいない。」をはじめとしたTwitterの呟きは多くの共感を
呼び、「オバマ、戻って来てー」となっているようだ。

そりゃ、アメリカ人でない私でも思うわ。「オバマさん、大統領に
返り咲いて」って。

『捕まえて、食べる』(玉置標本 新潮社)読了。

バラエティ番組でやっていたお笑いコンビ・よゐこ無人島生活は
好きでよく見ていた。なので、本書は似たような感じなのかなと
思って手に取った。

違いました。なんというか、遊びの延長かなぁ。サバイバルって感じ
ではなかった。

子供の頃、潮干狩りに行ったりハゼ釣りに行って、獲れたアサリや
ハゼを自宅で料理して食べたけど、その大人版ってところだな。
私の亡き父は思いがけず釣れたウナギを庭で嬉しそうにさばいて
いたっけ。天然のウナギは美味しかったのを覚えている。

河口の干潟でアナジャコやマテガイを獲るのは私も子度の頃に
やったことがあるので、「そうそう。そうやって捕るんだよね」と
懐かしかったわ。

食材になる物って結構身近にあるんだよね。小学生の頃、校庭に
植えられた桑とかグミの実をとってモグモグしてたし、春のお彼岸
が近くなれば川の土手にヨモギ摘みに行った。

自分で食材を獲る面白さは分かるが、それ以上ではなかったの
が残念。本書冒頭の「エイを釣って韓国の高級珍味ホンオフェを
作って食べる」みたいなのが続けばもっと興味深かったかも。

特に漁業権が必要なザザムシ編は著者本人が何もしていないの
でがっかり。

本書もそうなのだが、近年はネット上の記事をそのまままとめて
紙の書籍にする企画が多いね。ネットの文章そのままは時に
読み難かったりするのだが、これはネットの文章に慣れている
世代の方が多いってことなのかもね。

そう言えばご成婚50年記念で天皇皇后両陛下の日常を追った
テレビ番組があって、その中で両陛下が皇居内でオビルやツクシ
を摘んでいらっしゃった場面があった。

おふたりで楽しそうに摘んでらしたな。ノビルは「酢味噌で頂くの」
皇后陛下があの綺麗なお声でおっしゃっていた。許されること
なら、両陛下とご一緒にノビルやツクシを摘んでみたい。