大きな器

2016年11月、アメリカ大統領選真っ最中にノースカロライナ州
行われたヒラリー・クリントン氏の支持者集会でのオバマ大統領
(当時)が演説を行った。

だが、会場にはヒラリーさんと大統領選を闘っていたドナルドトランプ
氏の支持者が彼を賞賛するプラカードを持って乱入した。

騒然とする会場。そして、不穏な空気。しかし、オバマ大統領は見事
にこのシーンを切り抜けた。

「いいかな、皆さん。静かに聴いて。集中して演説を聴いて欲しい。
落ち着いて。落ち着いて、座って演説を聴いて。自分の候補者を応援
する年配の紳士がお見えになっている。それだけだよ、心配しなくて
いい。まず落ち着いて。第一に我々の国は、表現の自由を尊重する。
ふたつめに、退役された軍人の方に見える。敬意を持ってくれ。三つ目、
年配の方だから、そこにも敬意を。四つ目、文句を言うより投票を。
さぁ、演説の集中してくれ」

格好良過ぎだよ、オバマ大統領。あ、「元」大統領だけど。

我が国の誰かさんのように批判する人たちを「こんな人たち」と言っちゃう
のとは器が違うね。

でんでん晋三と比べることが失礼に当たるかもしれない。ごめんなさい。

引き続き『評伝 斎藤隆夫 孤高のパトリオット』(松本健一 岩波現代
文庫)を読む。

演説をぶつ切りにして解説するな。