短編小説のような回想録

自民党・二階幹事長「落とすなら落としてみろ」
有権者「(ゴルゴ13風に)把握した」

昨日の都議選、でんでん晋三言うところの「こんな人たち」に都連自民党
が負けたのである。都連幹部が軒並み落選の、大負け、ボロ負け、大敗、
惨敗なのである。改選後の共産党19+民進党5にも及ばないのだ。

昨晩はテレビ東京の池上選書特番を見ていたのだが、自民党の博文セン
セイはこの惨敗の原因を稲田防衛相の発言に結び付けていた。それだけ
じゃないでしょうに。

さすが池上彰で200万円献金疑惑に容赦なく突っ込んでいた。博文センセイ、
涙目だったねぇ。会見と同じ言い訳を繰り返していたけど、説得力ゼロだわ。

そうそう。博文センセイの奥様はご自身のFacebookから加計学園関連の
投稿を削除したそうではないですか。なんで?やっぱりやましいから?

余談だが、世田谷区から出馬していたマック赤佐は絶賛14連敗中である。
それでも9000票も得票してるんだよな。素敵だわ、世田谷区民の皆様。


『地下道の鳩 ジョン・ル・カレ回想録』(ジョン・ル・カレ 早川書房)読了。

スパイ小説と言えばフレデリック・フォーサイスと、本書の著者である
ジョン・ル・カレなんだよね、私にとっては。しかもふたりとも実際に
スパイだった。あ、フォーサイスは協力者だっけ。

私の中の2大巨匠のひとりでるジョン・ル・カレも既に85歳だそうだ。その
人の回想録だもの。読むでしょ、やっぱり。

時系列になっていないので「自伝」と捉えて読むと読み難さがあるが、
全38章のそれぞれが短編小説を読んでいるような感じだ。

小説の取材の過程であった人々のなかでもPLOアラファト議長との
邂逅はまるで映画のよう。尚、アラファト議長のヒゲは柔らかく、ベビー
ローションの匂いがしたそうだ。あぁ、触ってみたかったよ、議長のヒゲ。

イギリス最大の裏切り者キム・フィルビーの友人であり、同僚であった
ニコラス・エリオットとの会見の様子もあるし、『寒い国から帰って来た
スパイ』の映画化をめぐっての話、そしてイギリス諜報機関に在籍し
てた頃の話も少々。スパイだったから多くは語れないんだろうね。

最大の注目はル・カレの父親ロニーのことを綴った章だ。常習の詐欺師
にしてDV夫。この為、ル・カレとその兄の生母はふたりが幼いうちに家を
出てしまう。

ル・カレもお兄様も、きっと多大な苦労をしたに違いない。家庭環境を考え
たら相当に重い話なのだが、ユーモアを交えた筆致が読ませるんだよな。

各章がル・カレの人生の断片なのだ。それをパズルのように組み合わせて
いくと、彼の数々の作品が生まれる。

近年は小説から離れてしまっているが、昔々に読んだル・カレの作品を
引っ張り出したくなった。

困ったな。フレデリック・フォーサイスの自伝も買って積んである。きっと
こちらも面白いはずなんだよな。