粘土板と葦のペンをください

東京都議選なのである。東京都民ではないので関係はないだが、
またもやマック赤坂が立候補ですよ。

しかも舛添要一邸を電撃訪問し、応援演説をお願いして断られて
るんですよ。

好きだわぁ、マック赤坂のこの行動力。

『シュメル─人類最古の文明』(小林登志子 中公新書)読了。

チグリス川とユーフラテス川に挟まれたメソポタミアの南部。
世界最古の文明の地は歴史の教科書でもおなじみだ。

その文明に一大変革を与えたのがシュメルである。本書は発掘
された遺跡や遺物からシュメルの文化・社会制度・宗教などを
読み解き、解説している。

時代を遡ること5000年から3000年前に文字を持ち、通商を行い、
法典を作り、戦争をして、奴隷を持ち、神々を崇めて、学校では
読み書きのできる書記を育てていたんだよな。

しかも、日本の判子に通じる円筒印章まで作成している。

この時代に既にビールが飲まれていたことも興味深かったが、
何故、これほど時代が経っても情報が残っているかだった。

粘土板なんだよね。この時代に紙はない。情報を記すのは粘土板
のみ。それが乾燥した土地であったことや、火災にあっても紙の
ように焼失しなかったことが大きい。

持ち歩いたりするには不便だが、保存という観点で考えたのなら
粘土板は紙よりも優れているような気になった。

ただし、保管するには場所を必要とするけれどね。

古代文明は教科書で習ったことくらいしか知らないし、ともすると
オカルトネタになってしまうのだが、本書は出土品の解説が多く、
「へぇ、こんな文化を持った人たちがいたのか」と面白く読めた。

尚、文字を書くのに使用されたのは葦だそうだが、メソポタミア
葦は日本の葦と違い太くて丈夫なのだそうだ。その葦のペンの
使い方のコラムが楽しかった。私も書いてみたいけど、葦が手に
入らないよね。

イラク戦争の際に、貴重な出土品が博物館から盗まれてしまった
のは哀しい。戻って来たものもあるようだが、破損した部分もあった
とか。

遥か昔ではあっても、歴史を刻んだ資料は盗んだり壊したりしない
で欲しいな。