ナンシー関という無条件

加計学園問題が表出してから少々不思議に思ってたんだけどね。
森友学園問題の時は籠池さんのところにいろんなメディアが押し
寄せたでしょう。

では、なんで加計孝太郎さんのところへは押しかけないんだろう。
どこか突撃するメディアはなんですかね?

『語りあかそう』(ナンシー関 河出文庫)読了。

消しゴム版画家でコラムニスト。ナンシー関が亡くなって今年で
17年になるんだね。ナンシーを失ったのは本当に哀しい。今でも
「ナンシーだったらどう書くかな?」って思うもの。

本書は1990年代に雑誌に掲載された対談やインタビューで構成し、
2014年に発行された。

私にとってナンシーの版画とコラムは最高の娯楽だったんだ。だから、
ナンシー関」の名前があれば内容はどうあろうと購入してしまう。

ただ、対談って一方の話し手に興味があるだけでは楽しめないんだ
なぁってのを実感した。いや、面白いことは面白いんだよ。

冒頭の南伸坊との「お笑い顔面進化論」の、アメリカ人のようになりた
いDNA説なんてニヤニヤしながら読んだし、近田春夫と「紅白歌合戦
大改革試案」はこの国民的歌番組が低迷した頃だから「そんな時期も
あったねぇ」と懐かしかった。

ただ、林真理子群ようこが対談相手の時はあんまりナンシーの魅力
が出てなかったかなぁって感じ。あ、これは私がおふたりをあまり好き
ではないのも原因かもしれない。

ページ数も少ないので1時間もあればサクッと読めるかな。

ナンシーの版画も結構掲載されているし、何よりもこの表紙カバーの
自画像版画が秀逸。これだけでもう満足なのだ。

カバー外して額装したいくらいだわ。

それにしてもナンシー、あまりにも亡くなるのが早過ぎたわ。シクシク。