自由か、しからずんば死

官房長官、少々お疲れですかね。定例記者会見の様子を
ニュースで見たが言葉に力がなかったね。

加計学園問題で松野文科相が嘘をついていたのがばれちゃった
からかな?

パリは燃えているか?[新版] 上』(ラリー・コリンズ&ドミニク・
ラピエール ハヤカワ文庫)読了。

「映画は観たけれど原作は読んでいなかった」シリーズ読書である。

「パリ解放」。第二次世界大戦の年表を作ったら、たった1行で終わっ
てしまうだろう。それが、文庫本上下巻で各400ページ超である。

ヒトラーナチス・ドイツがフランス・ヴィシー政権と休戦協定を結ん
だが、実質、フランスはドイツ軍の手に落ちた。1940年のフランス
占領から4年後、連合国軍のノルマンディ上陸でドイツ軍は占領地
の一部を失う。

そして、パリではドイツ軍に対する抵抗運動が始まった。国内に残っ
レジスタンスたちは一斉蜂起を企てるのだが、レジスタンス側は
一枚岩ではなかった。

ドゴール派と共産主義者がどちらが主導権を握るかで争い、スウェー
デン領事が仲介したドイツ軍との休戦協定もなし崩しになる。しかも、
武器も弾薬も圧倒的に不足していたレジスタンスは窮地に陥る。

ドゴールやドイツ軍パリ司令官のコルティッツ将軍など、歴史に名前を
残した人物ばかりではない。本書にはパリの市井の人々が多く登場
する。

パリからの最後の虜囚のひとりとしてドイツへ送られる夫の乗った列車
を自転車で追う妻、ドイツ軍の工作隊による爆破作業を遅らせる為に
停電を発生させた技師、祖国解放の為に古びた銃を取りドイツ兵に
狙撃された少年、ドイツ軍戦車内にモロトフ・カクテルを放り込んだ後
にハチの巣にされた少女。

誰もがパリ解放の為に三色旗を掲げ、自身の命を懸けた。パリがワル
シャワのような焦土にされぬようにと願って。

登場人物が多く、それぞれの視点から書かれているので場面展開が
早い。さぁ、下巻ではいよいよ連合国軍のパリ入城から解放までだ。