日本国憲法はみっともなくない

「『そもそも』の意味を辞書で調べると『基本的に』という意味もある」

なんてでんでん晋三がどの辞書にも書いてないことを言って、ネットで
一斉に突っ込まれたからか。「そもそも」には「(物事の)どだい」との意味
があり、「基本」には「どだい」との意味があるので、「そもそも」には「基本
的に」との意味があるって閣議決定しちゃったよ。

あ〜くだらない。そのうち「云々(うんぬん)」は「でんでん」と読んでも間違い
ではないなんて閣議決定するんじゃないか?あほくさ。

『中学生の質問箱 戦争するってどんなこと?』(C・ダグラス・ラミス 平凡社
読了。

アメリ海兵隊員として沖縄に駐留した経験もあり、現在は沖縄に住む
政治学者であり平和運動家である著者が中学生レベルの質問に答える
形式で戦争について嚙み砕いて話している。

解釈改憲集団的自衛権の行使(実はすべて個別的自衛権で対応
可能)を可能にしたり、本来とは異なる意味で積極的平和主義を用い
たり、特定秘密保護法を成立させたり、共謀罪を作ろうとしたり、何の
根拠もなく「機は熟した」と言って2020年までに憲法改正をすると宣言
してみたり。

現在の安倍政権のやっていることが、本書を読むと見事につながって
行くのだよな。自衛隊を「国防軍」にして、戦争の出来る国になろうって
こと。

その「戦争」というのは、アメリカの戦争に協力するってこと。今までも協力
してるけどね。「血を流さないのなら金出せや」とか言われて、巨額の金額
を出しているんだな。

それに、在沖米軍基地。ヴェトナム戦争以降、アメリカが戦争している国
に、ここから米兵が派遣されている。だから、中国や北朝鮮、ロシアの
ミサイルは日本の米軍基地を目標に設定している。

軍事力で平和が保てるなんてのは幻想である。抑止力なんてない。死
刑に犯罪抑止力がないのと一緒。軍事力を持てば持つほど、標的にされ
る確率は上がるはずなんだけど、日本政府はどう考えているのかしら?

改憲論者に多いのだけれど、現行の日本国憲法アメリカから押し付け
られた憲法だから改憲しなきゃいけないと言う。だったら自衛隊は?日米
安保条約は?日米地位協定は?米軍基地は?全部、押し付けなんです
けど〜。

大体、アメリカの戦争に協力する為に戦争の出来る国にするとしても、朝鮮
戦争以降、アメリカって戦争で勝ってないんだけどね。引っ掻き回して「あと
はよろしく〜」だから憎まれるんじゃないでしょうか。

安倍晋三が「みっともない」と言う日本国憲法だが、ちゃんと読んでいるのだ
ろうかね。前文なんて本当に素晴らしいと思うんだわ。

以下に引用する。

「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、
われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国
全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び
戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民
に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の
厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は
国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。
これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くもので
ある。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な
理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に
信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を
維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる
国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の
国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有
することを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視しては
ならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則
に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国
の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を
達成することを誓ふ。」

歴史を歪めてはいけない。負の歴史も歴史として背負わなければいけない。
誰が作った憲法であっても、そこに平和を希求し、平和を維持する願いが
込められているならば、憲法を遵守しなければならない。権力者であれ
ば尚更である。その権力者が憲法を変えようなんてのはもってのほかだ。

著者がいかにして平和運動家になったかの経緯も述べられており、中学生
でも理解できるように書かれているので安倍晋三に送ってあげようかな。

あ、「成」の字もまともに書けないでんでん晋三じゃ無理かも。