屋根裏の散歩者は実在した

6代目山口組から分裂した神戸山口組が、更なる分裂か?

神戸山口組の主体になった山健組から離反者が出ているって
ことは山健組自体が割れるってことか?

新組織の名称は「任侠団体山口組」だとか。

一体、どうなってるの〜。教えて、怖い人。

『覗くモーテル 観察日記』(ゲイ・タリーズ 文藝春秋)読了。

それは一通の手紙から始まった。1980年1月、著者の元に届いた
手紙の差出人はアメリカ・コロラド州デンヴァー在住のモーテル
経緯者の男性。

奇妙な手紙だった。覗き趣味が高じて、平屋建てのモーテルを買い
取り、いくつかの部屋の天井に通風孔に見せかけた穴を開け、興味
の湧いた宿泊客のプライバシーを観察しているとの内容だった。

著者のゲイ・タリーズ自身、手紙を受け取って間もなく当のモーテルを
訪問し、実際に屋根裏に経営者と一緒に潜み、宿泊していたカップ
の性行為を観察している。

しかし、モーテルに到着する前、経営者は著者に対して一枚の紙を
示し、そこへサインをするよう要請していた。本人の許可があるまで、
経営者の実名を出さないとの契約書だった。

経営者に求められるままにサインをした著者だが、ノンフィクション
作家としてはこの時点で一切の出来事を作品として発表する気は
なかった。匿名での作品は説得力に欠けるからだ。

その後、数十年の間、途絶えた期間はあってもモーテル経営者から
著者の元にはモーテルの屋根裏で宿泊客を観察した際の記録が
郵送されて来た。

本書の多くを占めているのはこの「観察日記」である。「他人の生活を
盗み見てみたい」。少なくない人がそんな欲望を持っているものかもし
れない。実践したいとの思いはあってもそれは小説のなかでのみ可能
なことだと思っていた。

だが、これは実在した「屋根裏の散歩者」の克明な記録であり、アメリ
の性文化の変遷にもなっている。ただし、著者に送られて来た観察記録
に創作が含まれていない保証はない。

実際、本書の初版がアメリカで発行された後、「ワシントン・ポスト」紙が
経営者のモーテル所有期間について疑問を呈しているし、記録に書か
れ、経営者が目撃したとされる殺人事件については著者自身が詳細を
調べようとしても公的機関には該当すると思われる事件の記録が一切
なかったのだから。

屋根裏部屋からこっそりと他人様の性生活を覗き見る。出歯亀と言って
しまったら身も蓋もないんだが、経営者がどれだけ自身の行為は性文化
の研究に繋がっていると思い込もうとも、やっぱり気持ち悪いわなぁ。

モーテルを手放し、既に齢80を過ぎたことですべてを公表する許可を著者
に与えた経営者の名前はジェラルド・フース。自身が覗き魔だった割には
監視カメラがそこかしこにある監視社会に批判的なのは面白かった。

それでも宿泊先のオーナーがこっそり客室を除いているのは嫌だわ。

尚、アメリカのモーテルは日本でいうところのラブホテルとは違うんだけ
ど、ここを勘違いしている人が結構いるんだよな。本書に関するネット上
の書き込みを読んでいて、少々驚いたわ。